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July 26, 2023

地域生活共同体

昭和30年代中頃(1970年頃)まで、大部分の庶民はそれぞれ地域の生活共同体の中で暮らしていた。 そこでは、いまは行政その他から有料で受けるしか亡いサービスが、「困った時はお互い様」の精神に基づく相互補助で無料で受けられていた。 たとえば、母親が病気で伏せると近所の主婦達がおかずをお裾分けして子供達が飢えることがないように気を配っていた。 また、親が子供を置いて出かけなければならない時には同年代の子供を持つ家にあずかってもらうことができた。 このほかにもそれぞれが各人に出来る生活支援を与え合っていた。

この生活共同体に参加するにはそれなりのプロトコールが有り。それは伝統的な作法として継承されてきた。 たとえば引っ越しの挨拶もその一つで、共同体への参加申し込みの意味になる。 また、生まれた子供のお披露目も子供を共同体に参加させてくださいとの意思表示になる。 お披露目を受けた共同体員は子供に触れたりなでたり抱いたりするが、これがこの子を仲間として受け入れると言う意思表示になるし、子供もメンバーに慣れることができる。 さらに子供が外で遊べるようになると地域の子供グループに入れて貰え、そこでは仲間内のルール、危険を回避するための知識などを年長者が教えた。 また、年長児はグループ内でいじめが発生していないか目を配り、子供の間の良好な関係を維持する役割も負っていた。 子供達はこれを順繰りに担うことで社会性を身につける事にもなっていた。

しかし1970年頃から地域生活共同体が壊れると、この様な習慣も徐々に消えて言ってしまった。 近所の住人が子供に振れることを拒否する母親もいるようだ。 これは以前であれば、私はあなたを仲間と認めないと言う意味になっていたのだが、今はそもそも近所の住人を仲間と認めない風潮が強いのでこれは当然のことかも知れない。

それはともかく、地域生活共同体が崩壊してしまったので住民相互の無償支援サービスもなくなった。 このためいまは行政や民間企業に金を払ってサービスを受けるしか亡い。 女性が主婦でなくなり時間が無いから当然なのかも知れないが、果たして収入以上の費用をこの様なサービスを受けるために払わなければならないのは不合理な気がしないでもない。 女性が自由になるためのコストと考えれば良いのかも知れないが。

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