日本企業の生産性が低いと言われる点に関する倒立的考察
日本企業は欧米企業に較べて生産性が低いとしばしば言われる。 それとセットで言われるのは、その原因は年功序列による労働意欲の低さだと言う事だ。 しかしそれは正しいのだろうか? 倒立的視点からそれについて考察してみた。
倒立的視点から見ると、日本の企業の生産性が低いのは労働者の労働意欲ではなく、労働争議が無い事による経営者の安易な姿勢かも知れないと言う事が見えてくる。 長年の世論誘導と刷り込みによって、日本では労働組合はストライキという悪事を行う反社会的組織だというイメージが植え付けられている。 この為労働組合の労働者権利向上意欲は低く、むしろ企業側が労働者を管理する手伝いをしていることも少なくない。 そして賃上げ要求も労働環境改善要求もないので経営者は経営改善努力をする必要がない。 そして労働者は努力しても見返りがないので次第に勤労意欲が低下する。
これが日本の現状だ。
これに対し欧米の企業では経営者は日本のようにのんびりとはしていられない。 待遇に不満があればすぐに転職してしまうか、ストライキで要求を突きつけてくるので、経営者はそれに対応することが要求されるからだ。 だから労働力を確保しておこうとすれば、待遇を改善する原資を確保しなければならない。 それには効率改善のためのあの手この手の工夫が必要だ。 それ故、欧米企業は日本企業よりも生産性が高いのだと言える。
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