プーチン氏は焦っていない
ウクライナ侵略の現状をプーチン氏の側から見ると、戦闘の進捗状況ははかばかしくないがその他の点では所期以上の成果を上げることができているのではないだろうか。
それは、
1.戦闘の進捗は遅いが、欧米側が戦闘には介入しないと断言しているので最終結果には何の不安も無い。
2.経済制裁は織り込み済みで、ロシアよりもむしろ欧米側が資源供給を絶たれて先に音を上げると見ている。
3.ロシア人の屈辱の原因の一つである、ソ連崩壊後にロシアに経済侵略してきた西側企業を接収して追放する大義名分が得られた。
彼はロシア国内の立場だけを見ており、旧西側の立場から見ての大義名分など関心が無い。 従って所期以上の成果が上がっていると感じているだろう。 欧米側は制裁を長く続けられないので譲歩の必要はなく、接収した企業の返還要求など無視すればよいとも考えているだろう。
これらの理由から、プーチン氏の強気はまだまだ続くだろう。 欧米企業の接収でソ連崩壊後の屈辱を晴らして溜飲を下げるロシア人も多いはずで、高いプーチン支持率がしばらく続くだろう。
だから日本政府や企業は、西側の都合に合わせた観測に基づく「プーチン氏は誤算続きで長くは持たない」などと言う甘い期待は捨て、冷戦期に近い経済関係が長く続くと覚悟しておく方がよい。
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