パラダイムシフト
バブル崩壊後、特に21世紀に入ると、それまでの従業員を解雇するのは経営者の恥から人員整理をしない経営者は無能に、給料を上げられないのは経営者の恥からこれもまた賃下げをしないのは無能な経営者へとパラダイムが代わった。 その結果何が起きたか? 需要が低迷し、安ければ何でも良いと言う風潮が原因で日本経済は長い低成長時代へ突入した。 需要低迷が続くと、人件費が安い途上国に生産を移すことでさらにコストダウンを図る事が流行した。 これは経済アナリストや経営コンサルタントが奨励し、政府も国際競争力を維持する効果があると後押ししたことで日本の製造業の空洞化が急速に進んだ。
しかし今、経済成長を後押しするためとして賃金を上げることで国内需要を増そうと政府が方針を転換しようとしている。 これは重要原材料の確保を確実にするために、製造業を国内に呼び戻したいという経済セキュリティ論者が後押ししている。 いつ敵耐関係になるか分からない国に、重要原材料を依存していては供給でのど元を締め上げられる個問いなり兼ねないからだ。
と言うわけで政府はパラダイムシフトを起こそうとしているが、諮問の効率を最優先と考える自由至上主義者や経済評論家達がどう動くかは予想が付かない。 パラダイムシフトが成功すれば、日本経済は再び成長力を回復するかも知れないが、グローバルな成長で稼げば十分とするグローバリストの非難で暗唱にのし上げるかも知れない。 成否は、いつまでも同じ常識にしがみつく経済人がどの程度いるかにかかっている。
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