バスターミナル
東京駅八重洲口に建設される再開発ビルに巨大バスターミナルが作られるそうだ。 利用するのは空港や各地への高速バスのようだが、それを読んでかつて東京駅の丸の内口に広大なバスターミナルがあったことを思い出した。
今は整備された公園のような広場になっているが、丸の内口前の広場は都内各地へ向かう路線バスのためのターミナルになっていた。 杉並区南部の井の頭通り(当時は水道道路)沿いに住んでいた私は、東京駅から帰宅するのに武蔵境行きの路線バスを利用した。 まだ道路が空いていた当時は、電車を乗り継いで行くのとほぼ同じ所要時間で乗り換え無しに行けたので楽だったのだ。 このバスは内堀沿いに半蔵門前まで走り、ここから西に向かい新宿西口のやはり広大なバスターミナルに停車した後、甲州街道、井の頭通りを通って武蔵境駅に向かっていた。
まだ道路が空いていて地下鉄も銀座線と丸ノ内線しか無かったので、ターミナル駅から各地に向かう路線バスが都電と一緒に網の目のように都内各地を結んでいたので、これらを利用して便利に移動する事が出来た。 中には近郊都市まで、たとえば新宿から八王子までのように長い路線も有り、鉄道の長い駅間距離をバス停で埋める重要な働きをしていた。
このようなバス路線は日常の足として重要なものだったが、その後自動車が増えて交通渋滞がひどくなると(*)、路面電車共々利便性が無くなって消えていった。 その穴埋めとして地下鉄網の建設が進められ今に至っている。
(*)週日の日中には、歩く方が早い事もしばしばあった。
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