ヨーロッパ最初の新型コロナ肺炎感染者は昨年12月に?
CNNの記事によれば、フランスの研究者達が昨年12月末から保存されていた検体(*)を調べたところコロナウイルスが検出されたという。 当該患者は中国との接点がないことから、昨年12月には既に新型肺炎の流行が始まっていた可能性があるという。
CNN記事;「フランスで昨年末に新型コロナ患者 医師らが検出」2020.05.05 Tue posted at 13:20 JST
(*)インフルエンザに似た症状だがインフルエンザと判定されなかった患者からの検体が保存されていたという。
記事からは、新型肺炎が報告される一ヶ月以上前(恐らく12月中旬以前)からヨーロッパ全域で密かに感染が拡大していた可能性が有ることが分かる。 米国でも事情は同じだろう。 これは中国政府が事態を把握する前に、既にウイルスが世界中に拡散していた事を意味する。
これは、全てがグローバル化して2日以内に世界のどこへでも人が移動できる現在、新型感染症が世界に広がることを防ぐことがいかに困難かを示している。 特にCOVID-19のようなステルス性が高い(**)ウイルスが拡散することを、初期に食い止めることはほとんど不可能だろう。 今後のパンデミック対策には、このようなステルス性が高い新型感染症を、どうやって拡散前に発見しするかも重要な課題になるだろう。
(**)重症化率が低いため、感染が広がって多数の重症患者が出始めて初めて気付かれる。
補足;COVID-19には中国型とヨーロッパ型の2種類があるそうだが、上記の情報からは早い時期にウイルスが分化していたことになる。 また、中国型に対する抗体がヨーロッパ型に対して、あるいはその逆の場合に有効なのかどうかも気になる。
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