暖冬異変
今年(2019-2020)の冬は暖かく各地のスキー場から雪不足の嘆きが聞こえてくる。
しかし暖冬による雪不足は過去にも繰り返されてきた前例がある。 60年ほど前にも暖冬異変と騒がれた時代があり、何シーズンもスキー場がオープンできない事があった。 このときには札幌の雪祭りでも雪が不足して、自衛隊が大量の雪を遠方から運び込んで何とかしのいだこともある。
その後も何度か小規模の暖冬があったが、人工降雪機の進歩などでしのいできたように思う。 今回は地球温暖化と結びつけて特に騒いでいるようだ。 しかしこれまでの経験を生かした工夫で何とか乗り切って欲しいと思う。
ただ今後どうなるのかは、温暖化ガスの増加と太陽活動の低下傾向がどの様に絡み合って影響するのかがあって予測しがたい。 太陽活動の記録を見ると、20世紀の100年間は太陽活動が次第に活発になり、それに温室効果化ガスの増加が重なって急激な温暖化が進んだ。しかし21世紀に入ると太陽活動の低下傾向がみられ、今後17~18世紀に小氷期と言われるほどの低温が続いたマウンダー極小期の様になるのではないかと危惧する研究者もいる。 従って、極大期の黒点数の減少と黒点周期の伸びが今後どうなるかを慎重に監視する必要がある。
一般に効果が拮抗する要素がともに増加する時はその結果が予測しがたい。 特にプラスマイナスの変動幅が極端に大きくなる事も少なくない。 それに備える警戒が必要だ。
関係記事;「太陽活動と気候変動」2012年9月
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