倒木除去が問題
今回も台風での大停電がなかなか復旧しない原因の一つが、電線に引っかかっている倒木の除去を電力会社では出来ないためだという。
考えてみれば全ての樹木には所有者がいて、その許可がなければ一木一草たりとも勝手に除去することは出来ない。 それは憲法で保障されている財産権を侵害することになるからだ。 だから完全に地面から離れて落下している樹木を移動させることは出来るが、少しでも根で地面につながっている限りは手が出せない。 鉄道の敷地内に倒れかかった樹木は例外として鉄道会社が除去する事を認める法律があるのかもしれないが、電力会社にはそのような特例はないようだ。 その結果、倒木を除去する場合には地方自治体が所有者の同意を得て除去しなければならないらしい。
今回倒伏した電柱の数を「ひるおぴ」では100本以下と断じて東電は怠慢だと非難していたが、それは通信障害で集計が出来ていなかった為のようだ。 週末の報道では2,000本以上まで増えていたが、まだ集計が出来ていない地域がある様でさらに増えそうだ。 そしてその多くで、壊れた建物からの飛来物や倒木が絡んでいるだろう。 また、千葉県には高い山はないが南部の内陸は多くが山地で、そこでは倒木も多いことだろう。 その全てで上記のような手続きが必要だとすれば、復旧にどれくらいの時間がかかるかは推して知るべしだ。
今回の教訓として、電力会社が送電線復旧のために倒木を除去する事を権利として認める法律を作るべきだろう。
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