不正確でも誤解を与えるものでもない
金融庁が老後資金として2,000万円以上の預金が必要だと発表して批判を浴びている。 これについて政府は不正確で誤解を呼ぶものだったので取り消すとしている。
しかしこれは不正確でも誤解を呼ぶものでもなく、正確で誤解の余地の無い予測のようだ。 なぜならば民間研究機関の予測ではもっと厳しいものもあるからだ。 つまり、政府は国民の老後の面倒を見る気は無いから各自でなんとかしろと言う宣言だったわけだ。
そんな宣言に対して批判が起きると、政府は誤解を呼ぶ不正確な表現で事実では無いとして、年金制度を改善する必要は無いとしている。
だがこれは、この数十年の政府は都合の良いことだけを公表し、都合の悪いことは隠して放置してきたが、それがあちこちでほころび始めていると言うことだ。
しかしこのような政府の無責任で将来被害を受ける世代からの反発や批判はほとんど無い。 むしろ批判するものに対してネットでは非難が集中する。 おそらく、学校やメディア等で政府を批判するのは悪い人のするすることだと教えられている為、そんな悪い人を非難するのは良いことと考えているのだろう。 だがその付けを30年40年後に払わされるのは彼ら自身なのだ。 おとなしく政府に従っていればなんとかしてくれる事にはならない事はほぼ確実だ。
苦い治療薬も早く飲めば少しで済むが、遅れれば遅れるほどつらい治療になる。 不都合な事実を直視するのは楽しくないことだが、それから目をそらし続けていてはいけない。
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