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March 09, 2019

ドラマ中の関西弁に違和感

関西を舞台にしたドラマでは、しばしば関西弁の「違和感」が話題になる。 そこではよく「関西弁ネイティブの私」が登場するが、「関西弁ネイティブ」の間でも育った地域によって言葉がかなり異なることは意識されていないようだ。

そもそも「関西」と言っても広いため「関西弁」には多くの異なる言葉が含まれる。 京都市と大阪市で言葉が全く異なることはよく知られているが、これらと神戸市(*1)や奈良市の言葉はまた違っている。 大阪市を中心にその周辺だけを見ても、北の淀川流域で話されているのは「摂津弁」でこれは大和川流域以南で話されている「河内弁」や「和泉弁」とは異なっている。 さらにこの間の江戸時代の大阪市旧街地で話されている言葉(これが狭義の大阪弁になるだろう)もまた異なる。 つまりその人が生まれ育った場所によって、これが「関西弁」だと思う言葉が異なっているのだ。

このためドラマで使われている「関西弁」が自分が生まれ育った地域とは異なった地域のものであると「違和感」を感じる可能性は大いにある。 また、地方出身の吉本お笑いタレント達が使っている「疑似関西弁」になじめない「関西弁ネイティブ」の人もいるだろう。

私は神戸出身の両親の間に神戸市で生まれ、一歳頃から就職するまで東京で育った。 このためか言葉の違いに敏感なようで、東京でも地域の違いによる言葉の違いを感じることが多かった。 旧江戸市中の西側の台地上では「武蔵弁」が色濃く残り、多摩川を渡れば「神奈川弁」が話され、江戸川を渡れば「総州弁」が色濃く残っていた。 さらに旧江戸市中の「江戸弁」ですら、神田と深川などの地域により少し言葉が違っていたのだ(*2)。 もちろんこれらが明治政府によって、江戸時代の武家言葉を下敷きにして作られた合成語である「標準語」とは異なることは言うまでもない。

それはともかく、就職して大阪市内の工場で働き始めるとすぐに地元採用の女性社員達の言葉の違いに気付いた。 例を挙げると、「~していらっしゃった」と言うときに市の北側から通ってくる女性は「~してはった」というのに対して、南側から通ってくる女性は「~しいやった」という。 またイントネーションにも微妙なちがいがあるのにも気付いた(*3)。 そんな地域間の言葉の違いがあるので、ドラマで使われる「関西弁」に違和感を持つ「関西弁ネイティブ」の人もいるのだろう。

今放送されている朝ドラ「まんぷく」はほとんど見ていないので、どの地域の関西弁が主に使われているのかは知らないが、登場人物がどの地域で育ったかの設定によって異なる「関西弁」を使っているとしてもおかしな事ではない。 そしてそれが「関西弁ネイティブ」の人が感じる違和感の原因の一つかもしれない。 そこまで細かい言語指導が行われてはいないかもしれないが。


*1 神戸市は旧摂津国の西端にあるので基本的には摂津弁だが、開港後に四国からの移住者が多かったためか四国の言葉の影響がある。
*2 私が通っていた時代、小学校では「よ、さ、ね、は止めよう」と言う指導があった。 「よ」は「武蔵弁」の特徴で「それでよ。だからよ。」と言う風に使い、「さ」は「神奈川弁」の特徴で「それでさ。だからさ。」と言い、「ね」は「江戸弁」の特徴で「それでね。だからね。」と言う。 小学校では「標準語」ではない下品な言葉遣いなので止めるようにとの指導がされたのだ。
*3 面白いことに彼女たち自身は自分たちか使っている言葉が違うことに気付いていないようだった。

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