手抜き調査の根底にあるもの
去年から官庁における各種調査での手抜きが次々と露見している。 政策立案や執行の基本となる数字だけに許されないことだ。 しかしそこには、数年来発覚している民間企業における品質保証活動の手抜きと共通する問題があるように思える。
それは経費節減圧力と仕事増加要求の圧力の狭間で、部門の実務者達が苦しんでいると言うことだ。
政府は公務員の人件費節減を国民から求められて人員の増加が容易ではない。 その一方であれをしてほしい、これも政府でやってほしいという要求も増える一方だ。 その結果仕事は増えるが人は増やせず、むしろ減らすことを求められるという板挟みになっている。 この状況を切り抜けるためには作業の内容を簡略化しなければどうにもならない。 それが問題の根底にあるように見える。
これは民間企業における品証活動の手抜きも同じ状況だ。 品証部門は物を作らないので人員は減らすが、売り上げ増や顧客の要求によって検査数量も検査項目数も増える。 その矛盾は現場の才覚で何とかしろというわけだ。 答えは検査の省力化、つまり手を抜くしかないと言う事だ。
問題の根底にあるのは、どちらも人件費削減と仕事量の増加を費用をかけずになんとか両立させよと言う、ある意味無責任なトップからの要求だ。
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