木の文化と石の文化
日本を含む東アジアは大規模建築物を木で作る木の文化だと言われる。 これに対してヨーロッパから中央アジアは大規模建築物を石で作る石の文化だと言われる。 この違いは大規模建築の材料として入手と加工が容易な材料がどちらであったかによっていると考える。
その観点で見ると、石の文化の地域は加工が容易な石灰岩を多く地元で産出するが、概ね乾燥地帯で良質の木材は入手が困難だ。 これに対し、木の文化の地域は良質の木材を多く産出するが、石灰岩のように加工が容易な石材は産出が限られている。 これが大規模建築物材料としてどちらを使うかの判断を左右していただろう。
追記;
ヨーロッパの南半分には石灰岩地帯が広がっているので、広い地域で石灰岩がもっとも入手しやすい建築材料になっていた。 パリやローマも市街の地下に石灰岩層があり、19世紀までそこから切り出した石材で街が建設された。 そんな採石場跡は今でも地下に史跡としてのこされているそうだ。 有名なローマのカタコンベも採石場跡の利用かもしれない。
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