「陸王」、「手ぶら」 変化する言葉
「陸王」;
テレビドラマの影響で、いま「陸王」と言うと地下足袋のブランド名になっているが、私にはかつて日本を代表した大型オートバイのブランド名だ。 他にもいくつかあったが今思い出すのは「陸王」と「メグロ」の二つだ。 子供の頃は大型バイクに人気があり、「月光仮面」や「まぼろし探偵」のようなヒーローは大型バイクに乗って登場したものだ。 後の「仮面ライダー」のシリーズはこの延長だろう。
当時はまだ中型、小型のオートバイは一般的ではなく、大型以外は自転車のフレームに小型のエンジンを取り付けた「原動機付自転車」(今の原付の先祖だ)ばかりだった。 「原動機付自転車」は「自転車オートバイ」とも呼ばれたが、大型バイクのドッドッと言う太い音に比べてバタバタと軽い音がするので、子供達は「バタバタ」とも呼んでいた。 そして子供達は、自転車のフォークに古葉書などの硬い紙を取り付けで「バタバタ」と音をさせてまねをして遊んでいた。 当時の子供の多くは、子供用自転車を買ってもらえなかったので、家業で使う大人用自転車が空いているときに「三角乗り」をして走り回っていたものだ。
この時代の大型オートバイはその後、ホンダやヤマハ等の新興メーカーが作る中型や小型のオートバイの品質が向上すると、それらの値段の安さと取り回しの良さに負けて皆姿を消してしまった。
「手ぶら」;
今「手ぶら」と言うと「手ブラ」で、ヌードの胸を手で隠すポーズのことのようだが、私には手に何も持っていない状態のことだ。 何も持たず手をぶらぶらさせて歩く姿の表現だろう。 「(荷物を持たずに)手ぶらで出かける」、「(獲物がなく)手ぶらで帰宅する」などの表現で使う。 そんなわけで私は、「手ブラ」の表現を見たり聞いたりすると「手ぶら」の方を思い浮かべてしまう。
時代が変われば言葉の意味は変化する。 この二つは私が最近感じている例だが、あなたの変化した言葉は?
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