脳天気な話
巨大噴火による原子力発電所への被害が取りざたされるが、そのような噴火で地域住民をどう守るかは全く議論されていない。 おかしな話だ。
可能性が議論されているどの火山についても、そのような巨大噴火が起きれば数百万に上る地域住民をどう守るかが重大な問題だ。 にもかかわらず議論されるのは原子力発電所への被害ばかりで、住民への影響が全く無視されているのは不思議な話だ。 まるで噴火で影響を受ける範囲内には住民はおらず、原子力発電所しかないかのようだ。
話題にされているような巨大噴火が起きれば、半径数百kmの範囲が何年も、場合によっては100年以上も居住不能になるだろう。 原子力発電所より先に、住民をどこへどうやって移動させ長期間生活ができるようにするのかを考える方がはるかに重要だ。 放射能漏れで影響受けるより先に、ポンペイや妻恋村の住民のように火砕流や大量の高温の降灰で大勢が焼き殺されるのだから。
原発反対派も原子力規制庁も、巨大噴火が近々にあり得ると考えるのであれば、噴火から住民をどうやって守るのかもまじめに考えるべきだ。
追記(2019/01/08);
たとえば今回観測対象にするという鹿児島の姶良火山で、川内原子力発電所が大きく損傷するような噴火が起きることを考えてみよう。 その場合まず錦江湾沿岸は巨大な津波に襲われ、次いでその周辺に火山灰などの噴出物を含む海水が熱い雨となって降り、その後さらにその外側に熱雲が襲来することになるだろう。 そんな中でいったいどれほどの人数が生き残れるのか大いに疑問で、海岸から数十kmは全滅だろう。 つまり、原発が損傷して漏洩した放射能で被害が出る以前に、その地域は死の世界になっているだろうと予想されるのだ。 巨大噴火にどう備えておくのか、火山周辺に住む数百万人の避難や移住の計画をどう立てておくのか、それらの方がずっと深刻な問題なのだ。
放射能被害だけが問題で、火山の噴火で直接に人が死ぬことについてはいくら大勢死のうと問題ではないというのであれば別だが。
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