医療が進歩すると難病が増える
矛盾しているようだが、医療が進歩すると難病が増える。 実はこれは当然のことで、医療は進歩してそれまで主要だった感染症などの病気が容易に完治できるようになると、それらの病気に隠れていた病気が顔を見せるようになるからだ。
そのような病気は情報が少ないため、原因も治療法もすぐには分からない。 そこでこれらは治療が難しい難病と分類される。
難病も情報が十分に集まれば原因が解明でき、治療法も分かってくるのは当然だ。 しかし問題は、そのような病気は種類が多く患者が少ないことだ。 このため情報が集まりにくく、一つの病気あたりの研究者の数も少なくなる。 これがますます原因や治療法の研究を手薄にして、治療法の確立に長期間が必要になる理由となっている。 また、患者数が少なければ、医薬メーカーも市場が狭くて収益が期待できないとして手を出さない。 手を出したとしても完成した医薬は非常に高価なものになり、富裕層しか買えないか医療保険の採算を圧迫することになる。
と言うわけで医療が進歩すればするほど難病が増え、医療はますます費用がかさむものになる。 そしてこれは当然のことなので、難病研究は治療薬の開発も含めて公的機関で行い、治療の費用は開発経費に基づく物ではなく、一般患者にとって合理的な範囲に収まるよう政治的に定めるのが良いだろう。 現在の治療費の一部を税金で負担するのだから、医療保険同様に国民全員で分担することには変わりがない。
追記;
癌や循環系の病気の罹患率が年々高まっているのは、これらの以外の病気で亡くなる人が減って、長生きするようになったからだ。 言い換えると、癌になるまで長生きする人が増えたと言う事だ。 認知症が増えるのも理由は同じだ。
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