高い堤防が命取りに
今回の豪雨では最近に無い人的被害が出ている。 それは自宅にいた人が急激で2階に達する深い浸水で逃げられずに、大勢が溺死したとみられることだ。
今回大きな人的被害を出している場所を見ると、谷あいの狭い平地になっていて元は水田だったと推定される。 そして川には立派な堤防が設けられていて、これまではこれで守られてきたと思われる。 このため平らで住みやすい低地に次々と家や施設が建てられてきたのだろう。
ところが今回、過去の常識には無い大増水によって堤防が破られてしまった。 そして高い堤防と山に挟まれた低地は水が流れていく先が無いため貯水池のようになり、堤防の高さに近い深さに浸水したものだろう。 つまり川沿いの低地が洪水調節用の遊水池のようになってしまったのだ。 もしここが広い平野の中にあったならば、水は周囲に広がれるのでこれほどの深さにはならなず、これほどの人的被害もなかったろう。
山がちな日本では同じような場所は無数にあるだろう。 各自治体はそのような場所を点検し、川が堤防を越えてあふれた場合にどれほどの水深になり得るかを調べて対策を立てる必要がある。 堤防を高くするのか、堤防より高い避難場所を設けるのか、あるいはかつて大河川流域の洪水多発地帯で見られたように、土盛りなどで家をかさ上げするのか等と言った対策を比較して、もっとも経済効率も安全度も高い対策を立てて実施すべきだろう。
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