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July 27, 2018

前例の無い台風

反時計回りの進路で、東から本州を縦断するという前例の無い台風の襲来が予報されている。 そもそも台風は台湾方面からやってくるのでその名が付いたと言う説があるが、これでは米風と呼ばなければならない。

こんな奇妙な進路になる理由は、気象庁のサイトで公開されている高層気象図を見るとよく分かる。 それを見ると、東から日本の南海上に張り出してくる通常の太平洋高気圧が全く見られず、代わりに千島方面から黄海にかけて東北地方を横断して伸びる帯状の高気圧がある。 この高気圧が台風の進路を遮っている上、南側では東風が吹いているので台風が西に流されることになる。

この夏の異常気象は、例年張り出してくる強い太平洋高気圧が無く、アリューシャン列島からベーリング海にかけて強い高気圧が居座っているためだ。 これが例年の状態に戻るまでは異常気象が続くのだろう。 もしこの状態が秋になっても続くようであれば、どんな気象災害がありうるのかも、気象専門家に研究してもらいたい。

weather3
気象庁の500hPa高層気象図を加工。

追記(2018/07/28);
通常台風は西からやってくるので、東日本には弱まった状態でやってくる。 しかしこの台風は東から来るので、強いままの状態で接近してくる。 従って関東中部の人たちはあまり経験することの無いような強風に注意するべきかもしれない。

追記(2018/07/28);
通常の西から東に向かう台風では、北側で風が強く南側では弱くなる。 しかしこの台風は東から西に向かっているので、逆に北側で風が強く南側で弱くなる。 このため進路の北側では特に風や波に注意が必要だ。

追記(2018/07/29);
台風が南の熱い空気を引き込んでいるため、東北・北陸・北海道の日本海側やオホーツク海ではフェーンが起き39℃前後の気温になっているところがある。 通常の西から東に向かう台風であれば、通過後に北風が入るので気温が下がるのとは対照的だ。 豪雨だけで無く酷暑にも気をつけねばならない。

追記(2018/07/29);
この台風は東シナ海に出た後は南下すると予想されている。 南の海水温が高い場所まで南下すると勢力が回復するかもしれない。 そうなると長時間東シナ海の時化が続くだろう。 これにも注意が必要だ。

追記(2018/07/31);
案の定、台風12号は九州南方海上で勢力を回復中。 勢力を回復後は最悪四国に再上陸もありうるかと思っていたが、幸い東シナ海を西に進むそうだ。 台風が遠ざかれば豪雨の危険も減るだろう。 ただ今度は中国本土で大きな豪雨被害がでないことを祈る。

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