EVシフト
最近、ヨーロッパ主要国で自動車のEVへのシフトが加速しているようだ。 背景には、温暖化ガスの発生量が少ないとされてきたジーゼルエンジンの、燃費のごまかしや健康有害物質の排出量の多さなどが認識され、それに対する忌避心理が強まったことがあげられるだろう。
これに伴って、英独仏などではジーゼルエンジン車の将来の販売禁止やEVの義務化などが検討され始めている。
ただ気になることがある。 それは、これまで炭素燃料でまかなってきた自動車の消費エネルギーを、将来は全面的に電力に求めなければならないと言うことだ。 それに伴って予想される電力需要の急増にどう対処するのかが各国政府には求められる。
英国を除きほとんどが地続きのヨーロッパでは、不足する電力は輸入することができる。 しかしその大半は石炭発電を行う東ヨーロッパや、原子力発電を行うスペインなどからの輸入に頼らざるを得ないだろう。 また、それでも十分な電力を確保できない可能性もある。
その結果電力危機が発生するのを避けようとすれば、国全体の電力消費量を抑える必要があるだろう。 つまり自動車のEVシフトは、国全体の電力消費量の強制的削減の原因となる可能性がある。 それを少しでも軽減するためには、EVの軽量化や最高速度の抑制など、様々な省電力対策を行う必要があるかもしれない。 それがうまくいくのかどうかが気になるところだ。
補足;
電力需要を抑える為には水素燃料が有効だと考える人もいるだろう。 しかし、水素燃料には住宅地でも設置できる安全な補給ステーションやステーションへの輸送などのインフラ整備に必要な資金や法の整備に時間がかかる問題があるほか、現在の技術で大量に水素を生産するに大量の電力が必要である等と言った技術上の問題もある。
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