政治家と弁論術
以前、大阪弁護士会が若手弁護士に弁論術を教えるという記事を書いたことがある。 法廷でまともに弁論ができない若手が多くなっているからだそうだ。 だが最近の政治家達の発言や国会討論を見ていると、政治の世界でもほとんどの者に弁論の経験も知識も無いのではないかと感じる。
演説も含めて弁論は政治家の基本スキルなのだが、政治家達の軽率な発言や議会の討論での手ぬるい質疑応答を見ると、その基本スキルが明らかに欠けている。 かつて政治を目指す若者の多くは、授業で政治理論を学ぶとともに弁論部に身を置くことが多かった。 授業で政治理論を学ぶとともに弁論部で弁論術を学んで、自分の主張の方が相手より優れている事を広く伝える技術を身につけた。
しかし現在の政治家達はそのような知識も技術も無いままに議会に身を置き、熟慮せずにただ思いつくままに発言している。 これでは政治家ではなく、ただの数にしかなれない。 いったい何のために政治家になろうとするのか? ただちやほやされたいだけではないかと感じる。
政党にとっては、幹部に忠実なただの数である方が都合が良いのかもしれないが、それでは国民の代表とは言えない。 平成になってから政党中心の政治が強調され制度も変えられてきたが、最近はその弊害の方が大きいようだ。
政治を目指す若者は、まず弁論など政治家の基本スキルを学んでもらいたい。
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