遅すぎる
政府が各個人が「かかりつけ医」を持つ事を推進すると言い出している。 これも昔から言うだけは言われてきたことだが、すでに手遅れになっている。
なぜ手遅れかと言えば、「かかりつけ医」の受け皿となる「町医者」(個人開業医)がもはや「絶滅危惧種」だからだ。 私の住んでいる場所の周辺を見ても「開業医」は歯科、眼科、皮膚科、耳鼻咽喉科や心療内科等ばかりで、「かかりつけ医」となりうる内科系の「開業医」はほとんどいない。 また残っている「開業医」も、ほとんどが高齢でかつ後継者もいない。
そんな状況でどうやって「かかりつけ医」を持つことを推進するというのだろうか。
「町医者」が減ったのはいくつもの理由がある。 法律上、疲れ切っていても診療拒否できない為長時間の過重労働になることが多い。 また、近年の訴訟ばやりで、訴訟の対象になりにくい診療科目でしか開業したくないと言うこともあるだろう。 さらに新規開業には、必要な設備を整えるために多くの資金を必要とする。 これらの問題から医師を解放しない限り「町医者」は増えず、「かかりつけ医」の拡大は不可能だ。
「かかりつけ医」の推進には、まず「町医者」が抱えている問題を解決して「町医者」を増やす事から始めなければならない。 厚労省がこれらの解消に熱意を持っているとは考えられない。 渋々手をつける頃にはすでに「町医者」は絶滅しているだろう。 そうなれば「病院」を「かかりつけ医」にするしかないので、病院の混雑は解消できない。
これが「すでに手遅れ」と言う理由だ。
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