ギンナンの臭気
秋の銀杏並木は美しいが、ギンナンの臭気に悩まされている自治体が少なくないそうだ。
大阪の御堂筋の銀杏並木でも、落ちた実が自動車や人に踏みつぶされて悪臭を放っている。 拾い集めて持ち帰る人がいるので、落ちている実は多少は減るが大勢に影響があるほどでは無い。 全部きれいに持ち帰ってもらえば臭気対策になるが、公共の物を勝手に持ち帰るのは許せないなどと硬直した建前論を振り回す者もいるので、大阪市としても持ち帰りを奨励するわけにはいかないようだ。
ところで銀杏は雌雄異株で雄株には実がならない。 だから実の悪臭が困る場所には雄株だけを植えれば良いのだが、これまでは実がつく大きさになるまで育てなければ識別が難しかった。 しかし現代の分析技術を用いれば遺伝子検査で雄株と雌株を区別することは可能だろう。 挿し木で作ったクローン株だけを植えるのは病害などの対策上好ましくないが、種から育てた遺伝的に異なる株であれば雄株ばかりを植えても問題は無いだろう。 余る雌株は臭気があってもさほど問題にならない場所に植えれば良い。
銀杏は樹形が美しく大木になる。 そして秋の黄葉は、単独でも並木のような群植でも美しいので日本の風景には欠かせない。 狭量な者達の難癖で、この美しい風景が無くならないことを祈る。
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