電気自動車化への波
欧州主要国と中国では急速に電気自動車化を推し進めようとしている。欧州と中国では背景が異なるが、両地域ともハイブリッド自動車でトヨタに後れをとったが、電気自動車化でそれを一気に逆転しようとする国家としての意図はありそうだ。
ただ先進国を除き、一気に電気自動車化を進めることが無理な地域も多い。それは電力インフラが未整備な途上国だ。このような地域では主要都市部を除けば、電池切れを起こしても充電ができず走行不能になる。しかし地方まで電力インフラを整備するには膨大な資金が必要になるので、一朝一夕にと言うわけにはいかない。
そこでこのような地域では、まだ数十年は内燃機関を主要動力とする乗り物に頼らざるをえないだろう。特に後背地では、高度な技術や設備がなくても修理や整備ができる、純内燃機関車両の必要性は簡単には失われないだろう。これは化石燃料車の分野でも残留者利益を得られる可能性がある事を意味する。
これはまた大メーカーにとっては、内燃機関車を切り捨て残留者利益は小メーカーに譲るかどうかの決断が必要になる。特にハイブリッド車で圧倒的に先行したが、電気自動車の分野では後れをとることになったトヨタにとって、ハイブリッド車をどうするかは企業の将来を左右する重大な決断になる。
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