米国軍艦衝突
米国海軍のイージス艦が相模灘で貨物船と衝突して水兵に死者が出ている。
イージス艦の右舷艦橋付近にコンテナ船の船首が浅い角度でぶつかったようだが、吃水下に大きな被害を受けたようで自力では動けず、タグボートに曳航されてやっと横須賀に帰港した。艦船の横腹は船体の中ではもっとも弱い部分で、逆に船首はもっとも頑丈な部分であるため、民間船船首といえども大きな被害を受けてしまったのだろう。
特に貨物船の船首は船首波を押さえて抵抗を減らすため、水面下に突き出しておりこれが米艦の水面下に大きな被害を与えたと思われる。このため前部居住区画から機関室にかけて浸水して主機関が使えなくなった様で、朝方の映像では排水しながらかろうじて動いている様に見えた。さらにその後の映像では、大量に排水しているにもかかわらず傾斜が増えていた。
これから考えると浸水は深刻で、貨物船船首との当たり方がもう少し深ければ転覆・沈没の危険もあったと思われる。
衝突原因はこれから解明されるだろうが、米艦の右舷とコンテナ船の船首左側が当たっているので、米艦がコンテナ船の左側から前を横切ろうとした様に見える。この場合、航行の優先権は右側にいたコンテナ船に有るので米艦の航行規則違反の可能性が高い。
以前浦賀水道で自衛隊のイージス艦が同じような事故を起こしたことがあるが、最新の周辺監視装置を持っているはずのイージス艦が、何をしていたのかという疑問が湧く。乗組員が少なく当直員も少ない民間船に較べて乗組員が多い米艦は、十分な人数が当直に当たっていたはずなのだが・・・・。
追記(2017/06/19);
NHK-BSで放送された米国のニュースでも、右舷に大きな穴が開いて大量の浸水があったため乗員が退避できなかったと説明していた。また、やはり当直員は何をしていたのだと言う疑問が持たれているようだ。
衝突の角度からは、左側から追い越しをかけた米国艦が前を横切ろうとしたが、コンテナ船の速度や位置関係の判断を誤ったのでは無いかという印象が強い。
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