ノイジー・マイノリティー
最近見た記事で、いわゆるネトウヨ(ネット右翼)をノイジー・マイノリティーつまり騒々しい少数派と呼んでいるものがあった。様々な調査や研究で、ネットにはノイジー・マイノリティーがはびこっていることは報告されているが、一般のどちらかと言えば政府よりのメディアでこれほど明言しているものは初めて見た。
そのようなノイジー・マイノリティーはあちこちでネット上での評判を気にする者たちに悪い影響を与えているが、それはテレビの世界でも目立つ。テレビ番組の制作者(プロデューサーなど)がネットでの評判を気にするあまり番組の質が低下しているからだ。ノイジー・マイノリティーが褒めそやす、無芸のお笑いタレントや一山幾らの「アイドルタレント」を使えば安心と考えて多用するため、中身の無いバラエティショーや経費のかからないクイズ番組や同じ地域ばかり登場する旅番組が氾濫している。
その一方でドラマ番組は今や絶滅危惧種になっている。同じ俳優が同じ設定で登場する定番ミステリーは生き残っているが、これも飽きられて視聴率は下がる一方だろう。その一方で、ノイジー・マイノリティーにけなされるリスクがある若い俳優は出番がほとんど無くなっている。背景にはノイジー・マイノリティーたちが俳優を勝手に自分のイメージにはめ込み、それに合わないとイメージに合わないとネット上で避難するからだ。それを跳ね返して若い俳優を育てるのがプロデューサーの重要な任務なのだが、今のプロデューサーにはその信念も力量も無いようだ。
かくしてテレビには多彩な俳優が主役を交代で務める韓国ドラマばかりが登場することになる。韓国の俳優たちは善玉役も悪玉役も平気で演ずるようなので、様々な使い方ができる。また、視聴者もひいきの俳優が様々な役を演ずるのを楽しむのだろう。これがプロデューサーの発想を柔軟にしているのかもしれない。
かくして韓国では次々とドラマが製作される一方で、日本ではドラマが絶滅寸前になっている。もっとも日本で韓流ドラマが受けたのは、昼メロが作られなくなり、それを支持していた中年婦人たちが楽しめるドラマが無くなっていたことも大きいと考えている。
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