ハリケーンの被害
大型ハリケーン「マシュー」に襲われたハイチで、800人以上の死者が出ていると報じられている。
カリブ海とその周辺の島々は普段は穏やかな気象なのだろうが、数年に一度はどこかが大きなハリケーンに襲われてきている。だから、ハリケーンの暴風についての知識が無いわけでは無いはずと思うのだがこのような被害を出すというのは何故だろう。単に貧しいからと言うことではないように思える。
金銭的な貧しさだけで言えば江戸時代以前の琉球は貧しかった。にもかかわらず、琉球では長年経験を蓄積して対策を工夫することで被害を押さえてきた。カリブ海諸国でそれができないのは何故だろうか?
原因として考えられるのはまず、先住民が奴隷労働や西欧人が持ち込んだ病気で全滅させられてしまったため、暴風対策の知識が継承されなかったことがあるだろう。しかしその後の500年は歴史があるにもかかわらず、経験が蓄積されず対策が工夫されてこなかったのは不思議だ。母国の生活スタイルに固執する西欧人と、独自の工夫など許されない奴隷として、粗末な住居に暮らしてきたアフリカからの強制移民の生活環境がそうさせたのかもしれない。
しかしそれにしても対策がなさ過ぎる。
一方、米国ではハリケーンパニックといえる状態が起きているようだ。普段から気象災害が予想されるような場所を好んで家を建てて暮らす傾向があるとはいえ、日本人の感覚からはどう見ても危険な場所に平然と暮らす無神経さにはあきれるしか無い。その結果が、彼らが大好きなパニック映画もどきの大騒ぎだ。
もっとも、日本でも災害経験を継承せず、安全よりも経済性を優先する傾向がはっきりと出てきているので、米国の大騒ぎを他山の石として建築物を建てる場所と構造の改善を図るべきだろう。
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