第二次大戦で日本が液冷エンジンを成功させられなかった理由
第二次大戦で日本は空冷エンジンを主に使用し、液冷エンジンは使いこなせなかったと言われる。その理由は液冷エンジンは整備に手間がかかり、故障も多かったと言われることが多い。また、そもそも大量に生産できなかったという指摘もある。
これに対し、欧州各国では液冷エンジンが主力で、空冷エンジンは低出力の練習機用などが中心だった。この理由として思いついたことがある。
それは第二次大戦の欧州機のエンジンを供給していたのが、高級車を生産していた自動車メーカーが中心だと言うことだ。自動車用エンジンは水冷がほとんどであり、ダイムラーやロールスロイスのような高級車メーカーは大排気量大出力のエンジンを量産していた。このため、航空機用エンジンとしても空冷より手慣れた液冷の方が設計や製造が楽だったと考えられる。
これに対し、当時の日本には大型水冷エンジンを製造できる自動車メーカーがなく、部品点数が少ない空冷エンジンの方が新たにエンジンを開発し始めた日本企業にとっては楽だったのだろう。これは、米国でも液冷エンジンは高級自動車メーカーや自動車エンジンメーカーが製造し、空冷エンジンは自動車とは関係がない精密機械製造企業が手がけていた事とも共通する。
つまり、第二次大戦の日本で液冷エンジンが成功しなかった理由は、自動車工業が立ち後れていたためだと言える。
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