南シナ海問題と沖ノ鳥島問題
南シナ海問題ではフィリピンが勝訴したが、中国はそれに従わない。中国にとって周辺国は二千年来の属国であり、宗主国である中国の意向に従うのは当然だからだ。
この問題について日本は中国を非難しているが、このような仲裁裁判が日本に跳ね返る可能性があることは認識しておくべきだろう。それは沖ノ鳥島問題だ。大きな岩の塊であるこの島は、浸食と海面上昇によって年々島の条件を満たすことが難しくなっている。現在、日本政府は浸食と水没を防ぐために周囲をコンクリートで固めているが、それでもこのまま海面上昇が続くと長くは持たないだろう。
沖ノ鳥島が誰が見ても島の要件を満たさなくなれば、日本は広大な排他的経済水域を失う事になる。それは海底資源の独占的開発権を失うことでもある。本年、台湾が沖ノ鳥島は岩礁であって島の要件を満たしていないと主張したが、南シナ海問題の報復として、中国が親中国の国をダミーとして沖ノ鳥島は島ではないとの訴訟を起こす可能性は十分にある。この点にどう対処するのかを、日本は前もって考えておく必要がある。
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