金余りの株安
今週は多少落ち着いてもみ合いが続くのではないかと見ていたが、やはりダメなようだ。
原因は英国のEU離脱で何が起きるのかという疑心暗鬼だが、それが大きな振れ幅に繋がる背景には金余りがある。短期に高収益をあげることを求められている投機市場に、大量の資金を各国政府が押し込んでいるので市場は完全に金余り状態になっている。通常この状態では株価が上昇して良いはずと考えるのだが、イスラム圏から拡がった世界的な政情不安が背景にあるため投機市場そのものの信頼性が揺らいでいる。このため些細な噂や憶測がきっかけとなって大量の資金が右往左往する。これが投機市場の現状だ。
この不安心理が根底にあるため、株価をつり上げようと各国政府が資金を注ぎ込んでも不安定さが増すだけで、株価の安定した上昇には繋がらない。
この現状を抜け出すには投機家の不安を取り除く必要があるが、それにはイスラム圏の政治と民心の安定が不可欠だ。西欧キリスト教国が「アラブの春」と浮かれて煽った政情不安が、西欧にも跳ね返ってきて現状に繋がっている事を反省して、イスラム圏の安定に何をすべきかを真剣に考えるべきだろう。だが、そこにキリスト教的倫理観は排除しなければならない。キリスト教的倫理観や社会観の押しつけは、さらに反発を招き混乱を拡大するだけだろうから。
« マイクロソフトと安倍首相の共通点 | Main | 新詐欺ネタ »
Comments