驚異?脅威?
「各国首脳が移動に使ったVIPカーはトヨタ、日産ではなくベンツだった その脅威の対テロ装備とは…」
これはある新聞社のWeb記事の見出しだが、誤字はすぐにわかるだろう。こんな一目で分かる誤字も、書いた本人には何回見直しても見つけられないことがある。原因は、「ここには間違いがないはず」と言う思い込みだ。一度こう思い込むと見つけるのはほぼ不可能だ。
しかし外部に出す文書にこんな誤字があっては具合が悪い。このような誤字を見つけるのに最も効果的な方法は誰かに見てもらうことだ。新聞社などのメディアでは、本来この役目は校正係が果たすのだが、最近の誤字や不適切あるいは曖昧な言い回しの多さを見ると、経費削減のために校正係を置いていない部署が増えているのだろうかと思う。
昔、「ハイラム氏の大冒険」と言うポール・ギャリコの小説を読んだことがある。内容は、記事に打ったたった一つのコンマで勤務先の新聞社を名誉毀損訴訟に勝たせた校正係(原稿整理係)のハイラム氏が、もらったボーナスと貯めていた休暇で第二次大戦直前のヨーロッパに出かけて、大冒険の末に美しい伴侶を得るという物語だ。
ハイラム氏のようなボーナスと休暇をとは言わないが、校正係が冷遇されず、重要性を認識されてきちんと処遇されていることを願う。
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