EUのジレンマ
今後、英国同様EUによる内政介入を嫌って離脱を目指す国が出ぬよう、離脱する英国に甘い条件は出せない。しかし、大企業の多国間分業により各国の経済が複雑に絡み合っている現状では、英国に対する厳しい通商条件は自分の首を絞めることでもある。英国に対してどの程度の制裁的条件を課せるのか、そのさじ加減が難しい。
つまり、制裁は課したいが自分の首を絞めるのもいやだ、これがEUのジレンマだ。現在は予想外の結果で体面を失った各国関係者の頭に血が上っているが、時間が経つにつれ冷静さを取り戻して、現実的で実務的な話し合いができるようになるだろう。また多国籍巨大企業が自分たちの経営に悪影響が出ないよう、政治的影響力を行使して制裁的条件の押さえ込みにかかるだろう。
そうした点から、私はメディアが掻き立てているほどには経済的混乱が起きないと考えている。
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