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May 12, 2016

トンデモ科学者の疑問;天文学編18

2016/05/12にBS3で放送された”コスミック フロント☆NEXT「太陽系の支配者 荒ぶる木星」”を見ていてはてなと思ったことがある。

それは、これまでに発見された太陽系外惑星の大半の軌道半径が水星の軌道半径より小さく、恒星のごく近くに惑星がない太陽系のような例が見つからないという点だ。これを根拠に、太陽系は例外的な存在だと説明していたが、この説明は正しくないように思えたのだ。

なぜならば、現在発見されている系外惑星はほぼ全てが掩蔽法(太陽の前を惑星が横切ることによる明るさの変化を検出する方法)で発見されているからだ。この方法では、短い周期で惑星が光球の前を横切らなければならない。しかし、系外惑星の探索が本格的に始まったのは1990年代の半ばだ。このため周期20年以上の惑星は、現在の方法では恒星自身の不規則な光度変化との区別がつかないため検出できない。光度変化が周期的であることを繰り返しで確認することを考慮すれば、最低2回出来れば3回以上の繰り返しが必要だ。よって周期10年以上の場合は検出できないと言っても良いだろう。逆に、周期が数日から数週間の惑星は発見しやすいといえる。

さらに、惑星が光球面を通過しなければならない点を考慮すると、軌道が近いほど観測者との間を通過する確率が高くなり、遠くなればなるほど確率が下がる(これは三角関数で考えれば容易に分かる)。つまり、太陽系を数十~数百光年離れた所から観測しても、たかだか20年程度の観測では木星や土星はまず検出できないと言う事だ。

つまり、太陽系に似た惑星系が見つからないのは、現在使用されている観測技術の限界によるものと考えられる。これが太陽系は例外的との放送中の説明をはてなと思った理由だ。

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