携帯電話の電波で脳腫瘍になる?
CNNの日本語サイトに携帯電話の電波を浴びたラットの脳腫瘍が増えたと言う記事がある。
CNN記事;「携帯の電磁波浴びたラット、腫瘍できる割合上昇 米研究」
2016.05.30 Mon posted at 12:47 JST
送電線や携帯電話の電磁波の害を訴える人たちが大喜びしそうな見出しだが、内容を読むと恐れる必要が無いことが分かる。
記事によると、米国立環境衛生科学研究所(NIEHS)で携帯電話と同じ電磁波を2年間毎日「高線量」で照射したところ、雄のラットの2~3%に脳腫瘍が発生したが、照射しなかった雄のラットには発生しなかったという。一方雌では1%程度しか発生しなかったそうだ。
これだけ読むと携帯電話の電波は危険と解釈できるが、ここには「高線量」というトリックがある。一般的に高線量というと、放射線では数百倍から数千倍というイメージで通常は遭遇することがないレベルと考えられる。実際にどの程度でどのくらいの時間照射したのかは、まだ原報告書を見つけていないので分からないが、ブルーライト有害論者が根拠としている、至近距離からLEDの光を目に直射して波長にかかわらず障害が出るように仕組んだ条件での実験ではないことを確認したいとは思っている。
しかしながらこのレポートは、携帯電話の電波が脳に当たらないようにするフイルムなどのギミックを販売している業者を喜ばせることにはなりそうだ。
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