ごまかしの代償
三菱自動車のごまかしは会社存続の危機をもたらしたと報じられている。もっとも、ごまかした当人たちは官庁や消費者をごまかそうとしたと言うより、逆らえない立場を利用して無理難題を押しつけた会社幹部をごまかしたかったのだろう。幹部達は株主たちに良い格好を見せたいがために、実現可能性を検討せずに命令したのだろう。幹部は現場の実態に目をつぶって命令して、実行できなければ現場責任者を処分すれば済むからだ。
と言うわけで気軽に無理難題を押しつけた結果、会社存続が危ぶまれる事態になり、無責任な幹部達の地位も失われそうだ。
今後、三菱自動車は金銭賠償や買い戻しが必要になり、それには莫大な資金が必要になるだろう。その結果、倒産して一部だけを残して再建、あるいは身売りとなる可能性も高い。
同じようなごまかしでは、フォルクスワーゲンが危機に直面している。それは、米国政府の要求によって米国内では買い戻しや金銭補償を行う事にしたのだが、欧州の顧客から欧州でもそれを行うよう要求が出ているからだ。ドイツ政府が、国内最大級の企業であるフォルクスワーゲンを守るため、厳しい要求には反対しているので今後どうなるかは予測しにくい。しかしこれも、国民の人気を気にする各国政府の要求に押し切られる可能性が無いとは言えない。
そうなると数兆円規模の資金が必要になる。これによって倒産には至らなくても、資金不足による技術開発の停滞によって、フォルクスワーゲンが衰退に向かう可能性はある。
これまでのごまかしの例を見ると、いずれもそれを行った企業に深刻なダメージを与えている。フォルクスワーゲンの場合も、企業幹部が実現の可能性を考慮せず、気軽に無理難題を押しつけた結果おきた可能性が高い。
逆らえない立場の部下に、期限内に達成できる可能性がない無理難題を押しつけるのパワハラだ。これは技術開発でも同じ事。パワハラ経営幹部は会社を潰すという好例として見るべきだろう。
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