賭けの季節
選抜高校野球が始まって、日本は賭けの季節だ。
プロ野球選手の賭けが非難されているが、日本中の多くの職場で甲子園の優勝校や個々の試合の勝敗に関する賭けが行われているはずだ。一口千円程度の少額のものがほとんどだが、中小企業の経営者の集まりなどでは一口数万円を超える賭けも行われている。これらをそれぞれのお小遣いに応じた罪のないお遊びとみるのか、いや少額でも賭けは賭けで許されないとするのかは意見が割れて難しいところだ。
その他にも、大人の麻雀では金をかけるのが普通だし、ゴルフでも金をかける者が多い。これらを全て違法行為として取り締まれと言われると警察はお手上げだ。
少なくともプロスポーツの当事者の賭けは、八百長に繋がるので厳格に取り締まるべきだと思うが、その他の賭けについては上記の様なものも含めて、どこからを違法な賭博行為と見なすかについては、国民全体で真面目に議論する必要がありそうだ。
ところで、ある外国新聞社の評価によると日本は世界的に見てもトップクラスの賭博好きだそうだ。これは日本人は賭博とみていないパチンコやパチスロが、彼らにはれっきとした賭博に見えるかららしい。彼らから見るとパチンコ屋は一種の賭博場で、これが国中の至る所にあるので日本人は賭博好きと言うことになるようだ。
そうそう、西欧では大統領や国王、そして首相のような高位政治家も公然と賭けをする。カナダ首相と米大統領がスポーツの試合で賭けをしたが(オリンピックでのことだったと思うが何だったかは忘れた)、大統領が負けてカナダ首相に缶ビールを1ケース送り届けたという話が、両国の親睦を象徴するほほえましい話題として報じられたことがあった。しかし、日本の首相が他国の大統領や首相とこんな賭けをしたら、不謹慎として大非難を浴びそうだ。お遊びの賭けと賭博の境界線は歴史や文化が異なると異なって当然で、グローバルスタンダードはこれだなどと一律に決めつけるのは、野暮の極致と言われても仕方がない。
さて、現代日本文化での境界はどこにあるのか。大手メディアは避けているように見える議論だが、これは行うべき議論だと私は考える。
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