イスラム宗派対立の背後にあるもの
サウジアラビアが執拗にイランに対する徴発を繰り返している様子から、イスラム教の宗派対立の背後にあるものが見えてきた。
それはサウジアラビアとイランの中東での主導権争いだ。イランと米国が互いに歩み寄りを見せ始めた頃から、サウジアラビアがシーア派政府に対する攻勢を強め、スンニ派によるシーア派に対する攻撃も激化している。これはシーア派の後ろ盾であるイランの影響力が増すのを嫌ったサウジアラビアの後押しによるようだ。
特にここへ来て、サウジアラビア自身が前面に出てスンニ派政権に対立するシーア派反政府勢力に対する攻撃を強め、その背後にいるイランへの避難や徴発を激化させているのは、大切な後ろ盾である米国をイランに取られまいとするサウジアラビアの焦りが出ているように見える。イランとの戦争に持ち込んで、米国をイランとの戦争に巻き込もうと言うわけだ。
しかしイランはサウジアラビアの意図を見抜いているようで徴発に冷静に対処している。昨日の米軍艦艇の領海侵犯も、航法機器の故障による偶発事故で処理するつもりのようだ。しかしこれがサウジアラビアの工作によるものであれば、同じような侵犯事件が今後も起きるだろう。
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