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November 19, 2015

シリア戦をどう終わらせるのか?

2015/11/18のロイターの記事に「コラム:パリ攻撃、米地上軍のシリア派遣はあるか」(2015年 11月 18日 15:42 JST )というコラムがある。これは、Peter Van Buren と言う政治評論家が今後のシリア内戦においてISをどう殲滅してどのように内戦を終わらせるのか、戦後のシリアをどの勢力がどのように支配するのかなどを論じたものだ。

筆者はシリア内戦の終息には米国地上軍の大規模場投入が不可欠だと論じ、さらにそれより重要なことは戦後のシリアをどのように再建するのかと言う事だと述べている。これには全く同感だ。

空爆を繰り返しても、それはモグラたたきと同じでたいしたダメージを与える事にはならない。大きなダメージを与えるには面を支配することが必要だが、現地の反政府勢力が全く期待できないことは既に証明されている。従って面を支配してISをコントロールするためには欧米の地上軍の大規模投入が不可欠だ。そしてISを殲滅しない限りシリアの内戦は終わらず、難民の大量流出も止まらない。座して殺されるのを待つよりは命がけでも脱出する方が良いと考えるのが当然だからだ。

米兵が(特に白人兵が)戦死すれば大声の非難を浴びることを恐れて、オバマ大統領は地上軍の戦闘投入を避けようとしている。しかしISが米国で大規模テロを行えば、そんな非難を恐れる必要は無くなり、オバマ大統領の大規模地上軍を投入しやすくなる。それを承知でISが対米テロを行うかどうかが当面の焦点になる。

孫子は「戦争はどう始めるかよりも、どう終わらせるかの方が難しい」、欧米諸国にしてもISやタリバーンにしても、一方的勝利以外の戦争の終わり方を描いていないようだ(*)。これでは戦争が泥沼化するのも当然だ。

(*)第二次遺体戦を始めた時の日本も似たり寄ったりで、一方的に勝っている間に勝ち逃げ出来ると考えていたようだ。

補足;
シリア内戦がいかなる形で終わるにしろ、戦後にはクルディスタン問題が控えている。シリアとイラクのクルド族が統一してクルディスタンの建国を宣言する可能性は十分にありうる。このため、トルコはクルド族が大きな力を持つのを嫌って、むしろISの戦力を温存してクルド族を叩かせようとしている。

補足2;
米国が大規模地上軍を投入する場合には、「忠実な同盟国」の日本にも地上軍戦闘部隊の投入を求めてくるだろう。安倍氏はこれにどう対処するのだろうか?

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