インフレ率達成は先送り
朝日新聞が10/31朝刊に日銀の黒田総裁のインタビュー記事を載せている。同じ記事はWebサイトでも見ることが出来る。
これによると、インフレ目標の達成は2016/後半に先送りされるという。原油などの燃料の国際価格下落等の外的要因が原因で、安倍内閣の政策が原因ではないという。ただし、追加緩和の見送りは内閣の意向による物であるとも言っている。
私が先の記事に書いたように、追加緩和はアベノミクスが失敗したと受け取られかねないので、安倍内閣が大規模な金融緩和の追加を嫌った事は十分に推察できる。
元々、安倍内閣の「インフレになれば景気が良くなる」という考えが的外れで、インフレ率を目標に据えたことが誤りと言って良い。それは物価は外的要因の影響を受けやすいと言うだけでなく、一般労働者の所得増加がインフレを上回らなくければ当然消費が冷え込むからだ。消費が冷え込めば家計支出は減少し、低価格品の比率が増えて統計上の物価は下がる。
そこで現状を見ると、所得が増えないうちからインフレを目標に掲げたことが消費者心理を冷え込みやすくしている。要するに目標の選定を誤ったと言う事だ。
それならばどうすれば良かったのか?それは池田内閣の所得倍増政策ではないが、「勤労者所得を10%増加させる」など、今後所得が増えるのだと言う印象を与える目標を掲げるべきだったのだ。これなら少し所得が増えれば今後さらに増えると期待して消費も増えるだろう。物価が上がらなくても、消費が増えれば景気は良くなる。
逆に所得が増えるより先に物価を上げると言えば、所得が増えるまで待とうと言うことになり、当然消費は増えない。従って景気はなかなか上昇しない事になる。これが安倍内閣の目標選択誤っていたという理由だ。
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