スーパームーン
スーパームーンが話題になっている。
スーパームーとは月と地球の距離が一番短い位置関係で満月になることを言うのだが、実はこれは毎年起きていてさほど珍しいことでは無い。今回特に欧米で注目されたのは、スーパームーンの皆既月食だったからだ。スーパームーンでの皆既月食は数十年に一度しか起きないので、若い世代は初めて見るものとして話題になったのだ。
スーパームーンの原因である月と地球の距離が変化する現象は月の公転軌道が楕円であるためだが、月は太陰暦の一月つまり約四週間で地球を一周している。このため月はほぼ毎月一回ずつ近地点(最も近い位置)と遠地点(最も遠い位置)を通過する。そして潮汐力は近地点で最も強くなる。従って近地点で満月または新月になる時には他の位置より潮汐力が強くなり、満潮時の潮位が高くなるので多少の風でも高潮の原因になることがある。
今朝方の民放のワイドショウでもスーパームンを話題に取り上げ、「潮汐力が強くなるのでスーパームーンが地震の原因になるとの説もある、実際スマトラ沖地震はスーパームーンの2週間後起きた」と紹介していた。しかしこのように、月は2週間毎に遠地点と近地点を通過する。スーパームーンの2週間後であれば、月は遠地点の付近におり潮汐力は最も弱い。従ってスーパームーンが地震を起こした証拠としては的外れだ。
付け加えると、近地点付近での満月を「スーパームーン(super moon)」と呼ぶのに対し、遠地点付近での満月を「マイクロムーン(micro moon)」と呼ぶらしい。NASAのサイトを「super moon」で検索すると、スーパームーンの解説やスーパームーンとマイクロムーンの比較写真などが多数掲載されている。
スーパームーンとマイクロムーンの大きさの比較画像の例;
「APOD: 2014 September 8 - Super Moon vs Micro Moon 」
「APOD: 2014 January 21 - Micro Moon over Super Moon 」
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