「大」は「おお」か「だい」か
しばらく前に「大」は「おお」と読むべきか「だい」と読むべきかを論争している記事を見た事がある。ネット上の議論の例に漏れず、どちらも譲らず自分たちの意見が正しいと言い張っているのがおかしかった。そこで「大」を含む熟語などを集めてみた。
通常「おお」と読む例;
「大舞台(おおぶたい)」、「大一番(おおいちばん)」、「大勝負(おおしょうぶ)」、「大相撲(おおずもう)」、「大童(おおわらわ)」、「大所帯(おおじょたい)」、「大入り(おおいり)」、「大盤振舞(おおばんぶるまい)、元来は椀飯振舞(おうばんぶるまい)」、「大盛り(おおもり)」、「大店(おおだな)」、「大人数(おおにんずう)」、「大船(おおぶね)」、「大雪崩(おおなだれ)」、「大晦日(おおみそか)」、など。
通常「だい」と読む例;
「大家族(だいかぞく)」、「大集団(だいしゅうだん)」、「大人気(だいにんき)」、「大反対(だいはんたい)」、「大会議(だいかいぎ)」、「大洪水(だいこうずい)」、「大々的(だいだいてき)」、「大学(だいがく)」、「大王(だいおう)」、「大臣(だいじん)」、「大統領(だいとうりょう)」、など。
通常「たい」と読む例;
「大会(たいかい)」、「大海(たいかい)」、「大洋、太洋(たいよう)」、「太陽暦(たいようれき)」、「太陰暦(たいいんれき)」、「大陸(たいりく)」、「大国(たいこく)」、「大帝(たいてい)」、「大群(たいぐん)」、「大軍(たいぐん)」、「大戦(たいせん)」、など。
読み方で意味が変わる例;
「大家(たいけ、おおや)」、「大人(たいじん、おとな)」、など。
このように並べてみると、「おお」と読むか「だい」と読むかにははっきりとした境界があるようだ。それは「おお」と読む言葉の大半は江戸時代以前から使われていた言葉で、「だい」または「たい」と読む言葉の多くは明治時代以降使われるようになった比較的新しい言葉や学術用語に由来する言葉のようにみえる。また、「だい」と読む言葉には「小」のつく対立語があるものが多いようにも見える。
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