北陸新幹線開業で大阪が寂れる
この週末から金沢までの北陸新幹線が開業した。今まで交通が不便だった関東方面からの観光客の増加を期待する関係者も多いだろう。メディアのインタビューでも東京との行き来が楽になることを喜ぶ声が多いようだ。
しかしこれは、今まで東京と大阪の両方に半々に顔を向けていた金沢が、完全に東京に顔を向けることも意味している。これまで、北陸本線の特急で大阪との交通が便利だったため、やむを得ず大阪とのつながりを保ってきた金沢にとって、もはや大阪は切り捨てても良い存在になったと言う事だ。金沢が完全に東京経済圏に組み入れられることで、大阪経済の空洞化が加速することになりそうだ。
北陸新幹線は今後敦賀までは延伸計画がある。これが繋がれば東京までの交通がもっとも不便な県庁所在地だった福井県の北部(越前地方)の顔も東京に向くことになるだろう。そうなれば、大阪は北陸経済圏のほぼ全てを東京に奪われることになる。
この問題については、かつて「大阪は新幹線で東京と繋がっていれば十分」と発言して、「大阪は東京の従属都市である」との見解を示した橋下氏はほとんど関心が無いようだ。しかし重要な圏内地域が離脱してしまうことは、大阪経済圏にとって深刻な状況だ。高度成長時代に関東から近畿までが連続した「東海道メガロポリス」が日本の経済・産業の中心として言われたことがある。しかしこのままでは大阪は経済辺境となって脱落し、「関東東海メガロポリス」となるかもしれない。
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