変な日本語「通信が遮断して」
民放のニュースでバヌアツの暴風(サイクロン)被害を伝えていたが、その中で変な日本語が使われていた。
それは「通信が遮断していて被害状況が把握できない」というものだ。最近の放送では「受動態」と「能動態」(「自動詞」と「他動詞」と言っても良い)の使い方が出鱈目な事が多いが、これもその例だろう。また、そもそも「通信の遮断」は人為的に行うもので、誰かが意図を持って通信できなくすることを言う。したがって、今回のように災害の被害によって通信が出来ない場合に使うのは適切ではない。また、「誰かが通信を遮断している」あるいは「通信が遮断されている」という使い方が正しく、「通信が遮断している」は用法として正しくない。
今回のように、災害あるいは明らかではない原因によって通信できない場合に適切な言葉としては「通信の途絶」という言葉がある。この場合に正しい用法は「通信が途絶している」になる。従って最初にあげた文は「通信が途絶していて被害状況が把握できない」に変えれば正しい日本語になる。
補足;
「遮断する(される)」は「他動詞」であり、「誰かが通信を遮断している」の場合は「誰か」が「主語」で「通信」を目的語とする「能動態」で、「通信が遮断されている」の場合は「通信」を主語とする「受動態」の文章だ。
これに対し「途絶する」は状態を示す「自動詞」であるから「目的語」はとらない。
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