使っていた Canoscan 8600F の光源が点灯しなくなり、キャノンでは修理受付期間が終わっているので修理しないと言うので、代替機を購入した。
代替機としては、この1月に発売されたばかりの EPSON GT-X830購入した。購入要件は、ネガフイルムのスキャンができることと2400dpi以上の解像度があることだ。どちらの要件もネガカラーの取り込みを行う為の最低条件だ。
注;解像度2400dpiというとずいぶん低解像度のように感じるだろうが、これまでの経験では、感度400の35mm汎用ネガフイルムをこれより高い解像度でスキャンしても、粒子が目だつばかりで意味がなかったからだ。
昨日注文した商品が今日(2015/01/21)の昼過ぎに届いたので早速開梱設置して使ってみた。
1,設置とサポートソフトのインストールは他のスキャナーと同様で特に問題となる点はない。スキャンドライバーの使い方もキャノンのものと大差はない。
2.古いカラー写真をスキャンしたが、退色補正が全モードで一段階しかないのが物足りない。退色の程度はそれぞれに異なるので、キャノン同様2~3段階有ると不精者にはありがたい。補正の方向は Canoscan 8600F に較べるとやや緑味が強く感じた。いずれにしても細かい補正は自分の画像処理ソフトで手動で行えばよい事ではある。
3.カラーネガのスキャンも退色補正はカラー写真と同じ傾向だ。ただし、これはCanoscan 8600F も同じだが、フイルムホルダーを本体に収納できないのは不便。原稿押さえの厚みが増えても良いので、その中に収納できるようにして貰えるとありがたい。
4.これはスキャン時に警告が出るのだが、アプリケーションソフトによってはネガの連続スキャンができない。私が取り込みに常用している簡易レタッチソフトでも、複数のコマを指定した場合でも最初の1コマだけのスキャンで終わってしまう。キャノンのドライバーではできたのでこれは残念だ。
5.これはスキャンドライバーのバグと思えるのだが、フイルムのレビューで全選択ボタンを押すとこれを解除できない。(下の追記を参照)
現時点ではこの程度だが、おいおい色調の違いなどを確認して行くつもりだ。
追記(2015/01/21);
1.ネガをスキャンするとマゼンタかぶりの傾向が強い Canoscan 8600F に較べると、EPSON GT-X830 は色調が青白くなる傾向がある。ネガのプリントと比較すると Canoscan 8600F の方が色合いが近いが、これは好みの問題といえる範囲かもしれない。
2.Canoscan 8600F のキズ・ゴミ除去機能は協力で、フイルム面のゴミやキズはほとんど意識する必要が無かったが、EPSON GT-X830 のキズ・ゴミ除去機能は非常に弱くほとんど効果がない。ゴミ・キズ除去の強力さを謳っているdigital ICEも、ボックスにチェックを入れても全く効果が認められない(下図参照)。フイルム面のゴミやキズには神経を使う必要がある。ブロアブラシが手放せなくなりそうだ。
 ゴミ除去無し
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 ゴミ除去強
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 digital ICE 使用
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追記(2015/01/23);
EPSONにゴミ除去の件を問い合わせたところ、
「ホコリ除去とdigitalICEにつきましては、元画像の状態によって、効果の出方が異なります。
そのため、ホコリ除去とdigitalICEをお試しいただいても、効果がない場合には、
他の設定はなく、それ以上の対処方法がございません。」(括弧内は回答メールの引用)
との回答をもらった。
機能が働いているとは思えないような結果なのだが、これできちんと働いているとすればキャノンに較べて効果が弱すぎるように思える。今後改善してもらえると嬉しいのだが無理だろうか。
なお、「全て選択」ボタンの動作はこれが仕様で。サムネイルのどれかひとつをクリックすると解除されるのだそうだ。
追記(2015/01/25);
上の画像が「ホコリ除去」機能が設計通りに働いている状態であるかどうかの確認を求めて再度質問したところ、EPSONからの回答ではこれで正常であるとのことだ。
最近はこのようなゴミやキズを除去する機能を持ったレタッチソフトがあるので、ブロアブラシで取り切れなかったゴミキズを手作業で消すのが厭な者は、その様なソフトを使用すればよいと言う考え方かもしれない。通常、フイルムからの取り込みをする人は何らかのレタッチソフトも使っているだろうから、問題がないと言えば無いのだが、Cannonの様な強力な除去機能がないことは認識しておく方が良さそうだ。
参考までに、Photoshop Element 13(30日試用版) のスポット修正ブラシツールを使って、前掲の「ゴミ除去無し」の画像を修正した例を下に示す。10年ほど前の便利な機能が装備される以前は、手作業で色を拾ってキズを埋めていたことに較べると遙かに楽にできる。進歩したものだ。
他の主要なレタッチソフトにも、WEBの説明を見るとほぼ同様の機能があるようだ。 |

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追記(2015/01/31);
いくつかのレタッチソフトを試してみると、ドライバーのEPSON Scanが認識されないものがあることに気がついた。認識しないものは、Photoshop Element 13試用版とCorel Paintshop Pro X7の64bit版試用版だ。起動ディスクのWindowsディレクトリを調べて見ると¥twain_32しかない。つまりEPSON Scanには64bit版がないので、64bit専用のTWAINドライバーを要求するソフトは32bitのEPSON Scanを認識しないらしい。Corel Paintshop Pro X7でも32bit版試用版はEPSON Scanを認識した。ただし、Zoner Photo Studio 16試用版は64bit版と32bit版の両方で認識した。
TWAINドライバーが64bit版のレタッチソフトで認識されないのはCanon Pixus MP6230 複合プリンターのスキャナーでも同様で、64bit版TWAINドライバーしか認識しないと言うことはどのスキャナーでも共通のようだ。
最近はネイティヴ64bitのアプリケーションが増えてきているので、64bit版TWAINドライバーを出して貰えるとありがたい。(これは他のスキャナーでも同じだ。)
追記(2015/02/20);
速度のことを書き忘れていた。GT-X830は35mmフイルム1コマを1,200dpiでも6秒ほどでスキャンでき、Canoscan 8600F では同じ条件で20秒程かかっていたのに較べると大幅に早い。これぐらい早いとカメラ用撮像素子を使ったワンショットタイプのフイルムスキャナーと較べてもさほど苦にならない(一齣ずつ手で移動させる時間が必要なため)。
追記(2016/01/29);
先日からEpson Software Updater(自動アップデート)がドライバ(EPSON Scan)を3.9.3.3にアップデートしようとするのだが、変更内容を知ろうとEPSONのサイトを見に行ってもあるのは3.9.3.2のみだ。これは一体何なのだ?
追記(2016/02/09);
エプソンに問い合わせたところ、自動アップデーターがインストールしようとする3.9.3.3は正式のものだから安心して使ってくれとのこと。ただし、今日時点でもサイトにあるのは3.9.3.2のまま。いつまで放置しておくのだろうか。
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