検疫隔離
エボラ出血熱患者の国内2次感染防止のため、米国のニューヨーク州とニュージャージ州が、流行地で医療行為に従事した医療関係者が帰国した場合3週間の検疫隔離を義務づけるとして議論を呼んでいる。反対理由は「人権侵害」、「ボランティアを減少させる」などだが、国内一般人の安全との兼ね合いをどう取ればよいかは考えなければならない。
日本でも昨日(2014/10/27)に、エボラ出血熱の疑いがある旅行者が入国したとして騒ぎになっていた。今回は検査の結果が陰性とのことで騒ぎは収まったが、検査態勢や疑いがある患者の移送や隔離に不十分な点があることが露呈した。
今後もエボラ出血熱に限らず、感染性が強い、あるいは致死性が高いなどの新しい感染症は次々と出て来るだろう。そこで入り口対策として、国際空港に隔離病室の設置を義務づけるのはどうだろう。
感染者の可能性があれば、直ちに空港内の隔離病室に収容して検査と治療を行うのだ。こうすれば人口密度の高い都市内を、封じ込め機能がない救急車で運ぶ必要はない。また転院させる場合にも、封じ込め機能を持つ救急車を用意する時間的余裕が持てる。
かつて、疫病の疑いがある病人を乗せた船は入港時に黄旗を掲げ、検疫泊地に入ることが義務づけられていた。今はそんな時代ではないと言うだろうが、致死性が高い感染症の拡散を防ぐためには、ある程度の自由制限は行われても良いのではないだろうか。やり過ぎや政府の恣意的な運用を許すと、ファシズムに通じる危険はあるのだが。
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