姫の失墜(小渕優子氏の大臣辞任)
かつて小泉氏にすり寄って名を売ったギャルズの影が薄れて行く中、颯爽と登場したブランド品の優子姫が失墜した。
小渕家の優子姫は、女性登用を売り物にした安倍改造内閣最大の目玉商品だったのだが、結果として安倍氏の体面が丸潰れになってしまった。原因は、父親から受け継いだ組織の管理が行き届かなかったことにあると思われるが、先代から受け継いだ家臣は厳しく監督できなかったのだろう。親の衣鉢をそのまま受け継いだ場合には、老臣達が後継者を軽視するのはありがちなことだ。また、そのうちに自分の個人的な利益を優先させる者が出てくるのもよくあることだ。今回もその例に当てはまるのかもしれない。
今後、後援組織内で誰に腹を切らせるのかが議論になるだろう。この手のゴシップで良くあるように、捜査を止める目的で全責任をかぶって自殺する者も出るかもしれない。
同じ事は後を追って引責辞任した団扇大臣にも言える。女性登用だからと言って、「女性であれば誰でも良い、ブランド品で見目が良ければさらによし」では、政府を預かる総理大臣として無責任に過ぎる。
政府や企業を動かすための手続きやルール(社会における合意形成の手順と言っても良い)は、人間が集団生活を初めて以来数万年の試行錯誤の末に生み出された物で、生物としての人間の習性の根幹に関わっている。男だから、女だからと簡単に変えられる物ではない。だから女性の登用とは言え、女であれば誰でも良いというわけには行かないのだ。
女性統治者の伝統がある西欧では、統治の手続きやルールは男であろうと女であろうと変わらない、変えてはうまく行かないことを経験している。千五百年の間、女性統治者がいなかった日本ではそのことが理解されておらず、女性自身もまた周囲も「女性だから」別の基準で、あるいは特別の待遇を受けられると言う甘えを生じがちだ。それが排除されない限り、同じような失態は繰り返されるだろう。
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