デング熱拡大
デング熱発症者がこの一週間で急増している。前記事「デング熱騒動」で書いた事だが、蚊の飛翔力が弱いとはいえ風に舞いあげられればかなりの距離を飛ばされて行く。ウイルスを持つ蚊が狭い範囲にしか拡がっていないと決めつけるのは安易に過ぎるだろう。
代々木公園の隣には明治神宮の森がある。そしてすぐ近くには新宿御苑と神宮外苑がある。そのすぐ東隣には皇室の赤坂御用地や東宮御所がある。そしてこれは豊川稲荷や赤坂迎賓館などがある緑の多い地域、外堀の緑地、清水谷公園周辺の緑地を介して皇居へとつながる。そして個々の緑地の周辺には、街路樹や庭木の多い住宅や大ホテルの庭園もある。この地帯は東京の中央に代々木公園から上野公園まで東西に連なる巨大な緑地帯なのだ。
それぞれの間の距離は短いので、自然の風や自動車が起こす風に巻き上げられた蚊は簡単に移動できるだろう。すでにウイルスを持つ蚊が拡がっていると考える方がよい。
さらに言えば、デング熱の症状は一般に軽く夏風邪と区別しにくいという。最初の患者が発見されるまでに、自覚症状もない軽症で済んだ複数の感染者がいてウイルスを持つ蚊を増やしてしまった可能性もある。
ここまで来ると、ウイルスを持つ蚊を撲滅することは不可能に近いだろう。すでに涼しくなり始めているので、町に出る時の服装は露出の少ないものにするなどの自衛策を講じるべきだ。
追記(2014/09/06);
CNNの記事「東京でデング熱感染、世界でも流行の恐れ WHO」によれば、既存流行地のシンガポールで昨年は1万2000人以上が感染し、4人が死亡したのだそうだ。ただし、感染者数は発症して治療を受けた人数と思われ、感染したものの発症しなかった人数は含まれていないだろう。
厚生労働省検疫所のサイトにデング熱についての説明がある。
「デング熱と重症型のデング熱について (ファクトシート)」(WHOの英文資料の翻訳のようで、そちらへのリンクもある。)
追記(2014/09/08);
神宮外苑のすぐ南には青山墓地もある。墓地がヤブ蚊の仲間の天国であることは、多くの人が経験しているだろう。
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