アメリカ帝国の崩壊
ソ連崩壊により冷戦が終了して、米国は唯一の超大国として世界支配が可能になり、アメリカンエンパイア(アメリカ帝国)が成立したと確信しただろう。しかしそれは今、音を立てて崩壊しているように見える。
イスラエル問題が反米武力闘争を育て、それに対する米国人の恐怖がイスラム国に対する武力攻撃を行わせた。それによって反米政権の打倒はできたが、民衆運動のレベルでの反米感情を煽ってしまった。これは直ちに反西欧文化に向かい、イスラム教とイスラム文化に基づく国家建設に向かってしまった。
野火のように拡がりつつあるイスラム至上主義に対し米国は打つ手を持たない。いまや世界中の多数の場所で活動しているイスラム至上主義者達を、同時に攻撃して壊滅させることは米国にとっては不可能だからだ。それどころか、西欧文明を共有する全ての勢力を糾合したとしても不可能だ。
結果として、元々影響力を持たなかった中国と、影響下から脱したロシアに加えて、イスラム圏の大部分に対する影響力を米国は失ってしまった。米国が影響力を行使できるのはいまやローマ教会が影響力を持つ範囲と日本のような米国の従属国、つまり世界の約1/3でしかなくなりつつある。
これはまさにアメリカンエンパイア(アメリカ帝国)の崩壊と言って良い。
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