第二の地球は存在しなかった
ナショナルジオグラフィック日本語サイトやAFPが「第二の地球」は実在しなかったと報じている。
ナショナルジオグラフィック日本語サイト記事;「グリーゼ581の系外惑星は幻だった」
AFP記事;「太陽系外で「発見」の地球型惑星2個、実は存在せず」2014年07月04日 14:42 発信地:ワシントンD.C./米国
記事によると「グリーゼ581」と呼ばれる恒星で、「ハビタブルゾーン(生命が生存可能な範囲)」にあり「第二の地球」の可能性があるとして話題になった二つの惑星が、実はデーター分析時の見落としが原因の誤認だと言う。惑星発見の根拠とされたスペクトルの揺らぎは惑星によって生じたものではなく、恒星の黒点によるものだったという。
これにはまだ異論があるかもしれないが、一つの教訓をもたらしている。それは、ごく僅かの変動を数学的に解析して存在を調べるような微妙な研究では、一つの些細な要因の無視や見落としが結論を大きく左右すると言うことだ。
同じような事が起きる可能性は、数学的な解析や統計処理を利用する他の分野の研究でも起こりうる。パソコンの高性能化やスーパパーコンピュータ利用の普及で、その様な解析や統計処理はたいした知識がなくとも簡単に行えるようになっている。それだけに、どのような要因にどのような意味があり、それをどのように織り込むのかと言うことと、得られた結果をどのように解釈するのかは入念にチェックしなければならない。
そして結果の発表も、得た結果の意味を十分に理解した上で行わなければならない。実は、発表者自身が発表内容の意味を良く理解していないのではないかと感じることは多いのだ。
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