初めての人工知性体?
AFPが「露スパコンに「知性」、史上初のチューリングテスト合格」(2014年06月10日 10:35 発信地:ロンドン/英国)と報じている。
「チューリングテスト」とはコンピューターと人間の区別が付くかどうかを判定する古典的なテストで、戦後間もない頃にアラン・チューリングが提唱した考え方に基づく。このテストでは、課題(質問)に対する反応が人間のものと区別が付くかどうかが試される。
つまり、実際に知性があるかどうかは問題ではなく、人間と区別が付くかどうかが問題とされる。言い換えると、区別が付くかどうかだけを問題とすることで、意識や知性が人間以外にあっても良いのかと言う(キリスト教の)神学的あるいは哲学的な問題を回避している。この問題は突き詰めて行くと、知性や意識(自己認識)とは何か、自分以外の他人にもそれがあるのかと言う問題にまで突き当たってしまう(注)。
この記事によれば、試験者が33%の確立で13歳の少年と設定されたロシア製のスーパーコンピュータを人間と判定したのだという。試験を行った英王立協会はこれが初めてのチューリングテスト合格だとしているという。
これが最初かどうかは議論があるようだが、人工知能が人工知性に近づいていることは確かなようだ。「アトム」の様にロボットに搭載できるようになるにはまだまだかかりそうだが、遠からず巨大コンピューターがかのHAL2000のように振る舞い始める日が来るかもしれない。コンピューターや人工知性の反乱はSFの古くからのテーマであり、欧米人にとっては悪夢なのだが・・・・。
そういえば、多数のコンピューターがつながった世界規模のネットワークに知性が生じて人間のコントロールを受け付けなくなると言うSFのテーマもありましたっけ。
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