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May 2014

May 31, 2014

木が燃えるにおいで落ち着く話

読売オンラインに「木が燃えるにおい、かぐと落ち着く…放火の男」(2014年05月31日 21時48分)と言う記事が出ている。

この記事を読んで、はるか未来のある星で発生した人が凶暴になる奇病の原因が、木や紙が燃える煙が無いためだったというSFを思い出した。技術の発達で何かを燃やすと言う習慣が無くなった為だという。結末はあちこちでたき火をして全員が完治したという落ち。

放火は論外だが、暖炉などで燃える火には人の心を落ち着かせる効果があると言う研究発表の記事が、かなり以前にナショナルジオグラフィックかなにかのサイトに出ていた記憶がある。

上に紹介したSFではないが、とかく人が攻撃的になっている現在、公園など人が集まる場所に安全にたき火ができる場所を設けて、炎を見ながらくつろいで語り合うのは暴力的な事件を減らす効果があるかもしれない。

売春も麻薬密売も国民生産

CNNがウエブサイトで「英国とイタリア、麻薬や売春売上額をGDPに加算へ」(2014.05.31 Sat posted at 15:46 JST)と報じている。

この記事によると、ヨーロッパではこのような違法行為の売り上げもGDPに計上している国が少なくないので、それに合わせるのだという。

しかしどうにも釈然としない。日本でも、暴力団のみかじめ料や違法な商売の売り上げをGDPに計上する日が来るのだろうか?終いには詐欺や恐喝の被害者が支払った金も計上されるかもしれない。手っ取り早くGDPを増やしたければ、犯罪を奨励せよ!

追記(2014/05/31);
朝日新聞もウエブで「麻薬・売春がGDP押し上げ 英が統計変更、0.7%増」(ロンドン=星野真三雄 2014年5月31日22時59分)と報じています。

May 30, 2014

橋下氏が民主党に接近?

橋下氏が民主党に接近を図り始めたと朝日新聞が報じている。もともと「東京と同じじゃなきゃいやだ!」以外に一貫した政策を持たない橋下氏だが、公明党に絶縁されたあげくに民主党に接近を図って色目を使い出したのであれば無節操なことだ。

そもそもが反民主党ブームに便乗して登場した橋下氏だが、「東京と同じじゃなきゃいやだ!」で東京都庁より高いATCビルの都知事室より高い階に府知事室を移転した以外にこれと言った実績がない。人気取りを狙って打ち出した府市の制度変更もここに来て破綻が目立ってきている。橋下氏本人は強がっているがこれは歴然として掩いようがない。

民主党への接近で起死回生がなるのか、それともこれが致命傷となるのか?橋下氏の迷走の行方に注目したい。

不明マレーシア機の捜索は情報ゼロに逆戻り

以前報道された行方不明のマレーシア機のブラックボックスからの信号は誤認であったことが分かった。さらにまた、エンジン情報を送信する情報についても信頼度に疑問が出され、全データを公開して再検証が行われている。つまり、信頼度が高いとされた情報の大半に疑問があり、全てを再検証しなければならない状態になっている様だ。

その結果、捜索は手がかりが全くないのと同様の状態に戻ってしまった。

これまで手がかりが見つからないのはなぜだろうか?最もありそうなのは探す場所が間違っていると言うことだ。さらに何かの陰謀で虚偽の手がかりが作られたと言うことだ。

インド洋に向かったという前提も含めて、情報の信頼性の再検証が必要だろう。

勝手に法律を作る「専門家」

テレビの報道バラエティーには事件がある度に「専門家」が登場して解説をする。しかしこれに実にいい加減な者が多い。しばしばありもしない常識や法律を作ってしまうのだ。

たとえば先日の韓国での沈没事件で、ある局の報道バラエティーに登場した専門家が、固定されている膨張式救命筏に2本のワイヤーロープがかかっている画像をさして、「これは違法なんです。ロープで固定してはいけないことに決められています。」と解説していた。しかし実際にはこれが膨張式救命筏を積載するとき、高波や大きな揺れで落下して流失しないための標準的な固定方法だ。このロープが遠隔操作や手動のレバー操作で外されると、救命筏を入れたコンテナが海面に落下して筏が膨張する仕掛けになっている。

また昨日(2014/05/29)の姫路沖のタンカー爆発事故でも、「専門家」が「さび取りは港内で行う事に決められています。沖でこんなことをしたのが事故原因です。」と解説していたが、実際にはそんな法規はない。

どうもテレビに登場する「専門家」には、関連分野の専門家ではあっても、当該分野そのものの専門家ではない人が多いようだ。

有りそうで無いもの;ガラス越し給電ケーブル

マンションに住んでいるとベランダで電気器具を使うのが不便だ。

一般的には戸を開けてその隙間を通して一時的に延長コードを引くことが多い。また恒常的に電気を使う場合には、エアコン室外機と同様に通気口を通して電源ケーブルを引くことになるだろう。

ただし最近のワイアレス給電システムを見ると、ガラス越しに電力を供給することもできそうだ。ガラスを挟んで送電ユニットと受電ユニットを設置すれば、戸を開けずに、また通風口がない場所でも電力を供給できそうだ。これは、衛星放送アンテナへの給電と信号伝送にも利用できるかもしれない。

単純に言えばトランスを二分割してでも良さそうだが、これではロスが多いだろう。最近の技術を使えばもっと少ないロスで電力を供給できると思う。

トランスを応用した場合のイメージを下に示す。

2016/05/12 イメージ図を追加

May 29, 2014

安倍政権は年が越せるか?

まだ一年の折り返し点にさしかかるところだが、安倍政権が年を越せるかどうか疑問に感じるような要素が出始めている。それは、安倍氏が力を入れている政策に次々と行き詰まりが見え始めていることだ。

閣議決定だけで実質的な憲法改正を行うなど与党独裁志向が強い安倍政権だが、これに公明党が疑問を呈して次第に抵抗を強めている。さらに、当初は成果があるように見えた経済政策にも停滞が見え始めていることだ。特に、円安効果はネガティブな面が目立ち、輸出企業の海外生産拡大で輸出拡大も実現できていない。大手企業の協力で政府主導賃上げが一部で実現できているが、中小企業や農林水産業にはまだ所得増加を実現するだけの体力がない。

原料やエネルギーのコストが上昇する中で中小企業なのに賃上げを強要すれば、生産の海外移転がさらに進みかねないし、海外移転ができない企業の中には国内事業の縮小や廃業を行うところも出るだろう。それを防止するために、中小企業に対する税制支援が必要だが、今のところ大手企業に有利な企業減税しか打ち出せていない。このままで行けば秋頃には景気が失速する可能性もある。

そんな政策の行き詰まりが重なると、安倍氏のパニック障害が再発して再び政権投げだしにもなりかねない。ここは、中小企業と中低所得者に対する支援が是非とも必要だ。また、国産品を優先的に購入する機運の醸成も必要だ。憲法よりも、集団自衛権問題よりもこちらが焦眉の急なのだが、はたして安倍氏にそれができるかどうか、来年の日本はそれにかかっている。

日朝協議は日本の一方的譲歩

日朝協議で北朝鮮が拉致被害者の再調査に同意し、これに答えて日本が独自制裁措置の解除を約束したという。これが安倍政権の外交成果のように報じられているが、冷静に分析するとこれは日本側の一方的譲歩だ。

なぜかと言えば、北朝鮮側は再調査を約束しても形式さえ整えれば持ち出しは何もない。それだけのことで日本が独自に課している経済制裁を解除してもらえるのだから、北朝鮮にしてみれば何も与えずに多くを得られると言うことになる。これが日本の一方的譲歩でなくてなんだろうか?

第二次大戦を正当化するような発言や、靖国参拝問題あるいは従軍慰安婦問題で対中、対韓、そして対米の外交的失策を重ねてきた安倍氏としては何か成果が欲しかったのだろうが、今回のような一方的譲歩はいただけない。米韓から見ればまた失策を重ねた形で、信頼感がますます低下するだろう。

維新分裂

いつになったら分裂するのかと思っていたが、やっと維新の会が分裂することになった。

憲法改正を目標に政界入りした石原慎太郎氏と、集票目的に憲法改正を掲げて石原氏に媚びた橋下氏とでは長続きするとは考えていなかったが、石原氏の持つ票に未練がある橋下氏の不決断が分裂を長引かせていたのだろう。

党勢の低下に悩む橋下氏が、石原氏の信念に逆らっても手近な勢力を引き入れようとしたのだから分裂するのが当然だ。政治的信念を持たない橋下氏のことだから、今まで極右に近い右派に媚びを売っていたが、今度は改憲に反対する中道右派に媚びを売ることになるのだろう。

May 28, 2014

韓国の腐敗原因は政治主導の官僚人事

韓国の腐敗が盛んに報じられているが、次第に見えてきたのは政権による人事支配が政官民癒着の原因になっていることだ。

政権による人事支配は日本でも与党が進めようとしているが、韓国ではこれが原因で中上級官僚が政権交代の都度交代させられ、このため官僚が与党の有力政治家の顔色をうかがう体質ができている。結果として、政治家が官僚に対する強い影響力を持ち、それを期待して民間が献金を行う。

最近の韓国の大事件の大半には、民間からの献金を受けた政治家に対する保身が、官僚の多くに法規通りの業務を行わせない実情が背後に透けて見えている。

安倍政権が行おうとしている、官僚人事の政権による支配は日本の官僚をも韓国同様にして行くだろう。

May 26, 2014

人類は2050年を越えられるか?

NHKスペシャル「エネルギーの奔流」を見ていて、人類が2050年を無事に乗り越えられるかが心配になってきた。

指数関数的に増加する人口と、それをさらに上回るエネルギー消費。楽観的な学者や評論家は、石油やガスの採掘可能埋蔵量は年々増加するので心配無いと言うが、その計算の基礎に使っているのは常に現在の消費量だ。そして、生産と消費の増加率の中長期動向は、極めて楽観的な数字が使われている。また、温暖化はほとんど考慮されていない。

温暖化は、再生可能エネルギーでエネルギー需要をまかなえるので原子力は不要だと主張する者たちも居る。しかしその主張を見ると、人工が減少に向かっているあるいはすでに減少し始めている先進国のエネルギー需要だけを計算に入れ、途上国の人口増加と一人あたりのエネルギー消費の増加を無視している。極言すれば自国のことしか考えておらず、不足したとしても高炭酸ガス排出の火力発電や原子力発電による電力を輸入すればよいとも考えている。また、再生可能エネルギープラントの建設に伴う環境破壊も無視している。

一方で再生可能エネルギーによる発電コストが高いため、原子力発電の廃止を決めたドイツでは電力料金が上昇して隣接国の2倍に達したという。このため、ドイツの製造業は電力価格が安い周辺国へ生産を移動し始めており、その結果周辺国の電力需要が高まって石炭火力発電所や原子力発電所の建設計画が目白押しだという。ユーロ安で好景気が続いてきたドイツだが、このままでは生産空洞化による雇用減が表面化するだろう。

このような状況を見ると、途上国で爆発的に増加する電力需要に対処するために続々と建設される火力発電所からの炭酸ガス排出の増加によって温暖化が加速する可能性が高い。また、電力需要ほどには供給が増加しそうもない石油や天然ガス価格の急騰を補うために原子力発電所も多数が建設されるだろう。

しかしそれでも電力需要の急増に追いつくのは困難だろう。家電製品の販売は電力需給のバランスによっては、メーカーの目論見ほどにはマーケットが拡大しない恐れもあるし、石油や天然ガス価格の高騰は電力価格の高騰と合わせて、化学製品価格や今やエネルギーコスト依存度が高くなっている農産物化価格の高騰を招き先進国の生活をも圧迫しかねない。

だからといって、途上国の電力需要増加を規制することは事実上不可能だし、大規模な戦争での大虐殺(億人単位の)によって人口増加を押さえることもできない。それならどうすればよいのか、先進国の一人あたりエネルギー消費を強制的に半減することも手段の一つであるが、現実にはそれは日常生活を破壊してしまうとして受け入れられないだろう。

と言うわけで、エネルギー問題は全くの八方ふさがりで解決の見通しが立たない。このままでは2050年頃にも相当に厳しい状況になるだろう。はたして人類は2050年を越えられるのだろうか。太陽活動の低下によって一時的に緩やかになっている様に見える温暖化の進行と相まって、22世紀が人類衰退の始まる世紀にならなければよいのだが。

自爆テロ型犯罪の新タイプ

アイドルグループのメンバーに対する斬りつけ事件があったが、最近は後に自分がどうなるかを考えない犯罪が多い。私はこれを自己中タイプ自爆テロ型犯罪と呼びたい。

類似の事件は従来からあるが、これまでは日本では死刑願望型、米国などではキリスト教の教義で自殺ができないので殺してもらいたい型の自爆テロ型と呼んでいたが、最近の特徴は加害行為の後自分がどうなるかを全く考えていない様に見える。

これは以前からあったのだとは思うが最近特に顕著だ。自暴自棄になって行う死刑願望型とは異なり、実行後に自分がどうなるのかが全く頭から抜け落ちている。さらに言えばその様な行為が犯罪であるかどうかと言うことすら考えていない。今回の斬りつけ事件の他にも、ストーカー犯罪の大半はこのタイプに含めて良いと考える。

これもまた、刑罰が抑止力にならない犯罪だ。このような犯罪を行わせないためにはどうすればよいのか。幼児の頃からのしつけや教育のやり方から改めなければならないのかもしれない。

4Kテレビ普及の前提条件

家電メーカーは4Kテレビの普及に入れ込んでいるが、現行の2Kテレビの普及にはアナログ放送終了という強制が必要だったように、4Kテレビの普及にもいくつかの前提条件がありそうだ。

それには設置スペースや低価格化以外にも番組内容(流行に習って言えばコンテンツ)も重要な要素となる。現在番組の大半を占める、お笑いタレントを使った各種バラエティやワイドショー、再放送が多いミステリー、ショッピングやアニメなどは4Kである必然性がないからだ。これらには2Kどころか1Kテレビでも十分なくらいだ。

各地の世界遺産や名所旧跡を紹介する旅番組であれば、4Kのメリットがあるかもしれない。しかしそれも、高ズーム比のレンズをつけた小型カメラでは収差の大きさが目立ってしまう。現行の2Kですら、中央部以外には色のにじみや歪みなどの収差が目立つことが多いからだ。4Kではこのような収差がさらに目立ってします。従って、低収差かつ高解像度のレンズをつけた中型以上のカメラを使わなければ意味がなさそうだ。高ズーム比で低収差のレンズは相当に大型かつ非常に高価になるだろうから、カメラも高価になることは間違いない。

と言うわけで、4Kテレビの普及には高解像度が生きるよう放送コンテンツの改善も重要だ。ただし上記の理由で制作費がかさむ可能性が高い。従って、経営難にあえぐ各放送会社に4K用番組の量産ができる資金力があるのかも問題だ。2K番組のアップコンバートばかりでは、4Kテレビ普及の推進力としては不足だろう。さしあたり、NHK以外は量産できそうにもない。しかし、NHKは2年後に試験放送が始まる8K放送の開発元として、4Kにはあまり力を入れないかもしれない。

もっとも、家庭用のテレビセットのサイズを考えた場合、8Kは非常な無理がある様に思うのだが・・・・。

また制作費が高騰すると、現状すでにコンテンツ不足を来し始めている地上波放送に、BS同様に安価な埋め草としての韓ドラや華ドラが大量進出してくるかもしれない。そうなれば、テレビ離れがますます深刻になる可能性もある。4Kテレビの普及には、まず4Kにふさわしいコンテンツをそろえることが必要だ。

May 25, 2014

4Kテレビで起死回生なるか?

2014/06/02からCS放送で4K試験放送を行う事が承認された。日本の家電メーカーはこれで4Kテレビの売り上げを増やし、テレビ事業の起死回生を図りたいともくろんでいるがうまく行くだろうか?結論から言えばうまくはいかないだろう。

その理由はいくつもあるが最大のものは価格の問題だ。日本の家電メーカーは、高機能高価格の4Kテレビで収益を改善したいと考えている。しかしこれは期待通りには行かないだろう。中韓などの海外メーカーが基本機能に絞った低価格品をすぐに投入してくるだろうからだ。すでに中国では49型で7万円以下と言う製品が発表されている。

価格の問題についてもう少し述べると、現在の液晶パネルの製造技術は日本メーカーも、中韓のメーカーも差がない。これは日本メーカーの主力製品の一部に中韓のメーカーの液晶パネルが使われていることからも明らかだ。従って需要がまとまる見込みが立てば、彼らもすぐに4K用のパネルを作り始める。そして、高機能高価格を狙う日本メーカーに対抗して、低価格製品で市場を支配しようとするだろう。

日本メーカーは現在60型の先行商品を60~70万円で販売しているので、これを40~50万円で売ることをもくろんでいるだろう。これに対し海外メーカーは当初は20万円台を目指すと考える。大型2Kテレビの中心価格は15万円以下であることを考えると、10~20万円を目指す必要があるからだ。海外メーカーは量産による固定費削減でこの価格帯で採算が合うよう努力するだろう。それには多少赤字でも単価を下げて数を売りさえすればよい(*1)。

パネル以外の部品の大半は海外の専門メーカーからの購入になるので、この部分ではコストの差が無い。高機能化に必要な部品のコストも、同じ理由でほとんど差が無い。従って、パネルの製造コストで勝負は決まる。日本メーカーがほとんど使うことがない高機能化で高付加価値を狙っている限り、日本以外では勝ち目がないし、それによってコスト競争力の差がさらに大きくなるだろう。

もう一つは、日本メーカーが期待する日本国内市場に4Kテレビのマーケットがどれだけあるかと言うことだ。現在、市場から32型未満のフルHD液晶テレビは姿を消して、このサイズのフルHDはPCモニター用だけが販売されている。これは人間の目の分解能が関係していると思われる。つまり32型未満のサイズではセミHDでも十分だと言うことだろう(*2)。これから推算すると、60型未満のサイズでは4Kテレビの画素数は価値がない可能性がある。60型以上の大型テレビは、日本の住宅環境では設置場所が限られるので、需要はさほど多くないだろう。

つまり、高機能を売り物に高価格販売を考えていては始めから負けが決まっているのだ。

(*1)固定は製造量にかかわらず総額が一定なので、製造数が2倍になれば製品一個あたりの負担額は半分になる。だから製造量が多いほど製造コストは下がり採算が良くなる。詳細は原価計算の参考書を参照して欲しい。

(*2)CRT時代の高精細PCモニターのドットピッチは0.23mmが標準だった。0.21mmの物が出たこともあったが最終的には0.23mmでまとまった。これが50cm程の距離で見るPCモニターにはちょうど良かった為と思われる。

これに対して、やや離れた距離から見るテレビ画面ではもっと荒いドットピッチで十分だろう。実際に32型フルHD液晶テレビで計算すると約0.36mmとなる。

トライスターで山火事消火

しばらく前のニュースで、カリフォルニアの大規模な山火事について報じているのを見ていると、大型旅客機のロッキード・トライスター(追記)が超低空で進入してきた。何事かと思っていると、消化剤を大量に投下した。どうやら消化剤投下ができるよう改造したトライスターを、山火事の消火に使っているらしい。こんな大型機を山火事消火に使っているのは初めて見た。

米国、カナダ、オーストラリアなど大規模な山火事が頻発する国では、様々な航空機を消火に使用している。その中には本来消火用に作られたものもあれば、第二次大戦の爆撃機や輸送機もある。時折思いがけない機体が消化剤を投下しているのを見ることがあるので、山火事のニュースも注意してみると良い。

それはともかく、スペインや韓国でも山火事消火用にMi-26超大型ヘリコプターを複数保有している。これらは消火用装備を搭載したタイプらしいが、基本型は約20tonの吊り上げ能力がある(スカイクレーンは12ton)。これだけの能力があると、15ton前後の重量があるパワーショベルなどの中型建設機械を空輸できる。災害時に重機を緊急輸送することもかねて、日本も何機か装備すべきだと思う。重機輸送用のパレットと、消火用のパッケージを用意しておけば両方に使える。

追記(2014/07/15);
トライスターというのは見間違いで、ダグラスDC-10を改造した空中給与機KC-10かもしれない。

May 23, 2014

タイのクーデター

何年も続いた政治混乱に沈黙を保っていたタイ軍がとうとう動き始めた。高齢の国王の一声が期待できない現状では、これが混乱を短期間で解消する唯一の手段だろう。

タイでは、政治が混乱して議会制民主主義が機能しなくなると軍がクーデターでリセットをかけることが何度も繰り返されており、これが伝統と言っても良いほどだ。その為か、報道で見る限りタイ人は平静を保っており、不慣れな日本人ばかりがオタオタしている様だ。

今後は、軍も国民も手慣れた手順で議会選挙の準備を進めるだろう。建前論で軍政反対を唱える外圧を期待して、混乱引き延ばしを図る勢力があるかもしれないが、外圧は国民多数の支持を得られないだろう。

トンデモ科学者の疑問;主食穀物と攻撃性の関係

少し古い話になるが、2014/05/09付けのナショナル・ジオグラフィック・ジャパンに「米と小麦、作物で人の考え方にも違い」と言う記事がある。

この記事によると、麦作地帯では個人主義の傾向が強く、米作地帯では相互依存の傾向が強いのだと言う。この論文の著者によれば、麦作は個人プレイでも可能だが、米作は集団作業が必要な事が原因で、これが何代にもわたって続いてきたため定着したとのこと。

しかしこの記事を読んで、トンデモ科学者としての私は別の原因もあるのではないかと考えた。それは、麦は人を個人主義的かつ攻撃的にする成分を含むが、米はそれを含まないのではないかと言うことだ。

そう考えると、米食が減り麦食の比率が高まった現在の日本で個人主義化が進み、さらにまた攻撃性が高いことによる犯罪が増加していることの説明が付く。

別の言い方をすると、自己中心主義や自分らしさを追求することに対する強いこだわりも、麦食がもたらした物と言えるかもしれない。

米国の2州で韓国語が第3位;米国地方政治への影響力の指標?

CNNに「言語から見えてくる米国の「モザイク度」(2014.05.22 Thu posted at 14:47 JST)という記事が出ている。

これを見ると、ジョージア州とヴァージニア州の2州で韓国語が英語とスペイン語をのぞく多数派言語の筆頭になっている。他のアジア言語としてはベトナム語が4州で、タガログ語が2州で英語とスペイン語以外でもっとも多い言語になっている。その反面中国語は1州もない。もちろん日本語もない。

これはそれぞれの州への移住者数を反映しているのだろうが、それぞれの州での政治的影響力の強さを示しているとも言える。

米国における日本の歴史観論争で、日本が韓国に対して劣勢なのも当然かもしれない。

May 21, 2014

PCカメラを乗っ取って、インターネットで覗き見ができる

CNNの記事「パソコン乗っ取り、世界で一斉摘発 90人以上逮捕」(2014.05.20 Tue posted at 12:35 JST)によると、PCを乗っ取ってそのカメラをつかって覗き見ができるソフトウエアがあるらしい。

記事によると「ミス・ティーンUSA」も寝室に置いていた自分のパソコンを乗っ取られて、ヌードを撮影されて脅されたのだそうだ。インターネット経由でカメラなどをON-OFFできるそうだから、ノートPCに組み込まれているカメラを使用しないときには、テープなどを貼って使えないようにしておくべきかもしれない。

ウインドウズ用がすでに存在するのだから、アンドロイドアプリもすぐに出てくるだろう。スマートフォンを乗っ取られて自分のあられもない姿を盗み撮りされないようご用心を。

インターネットには本質的な安全など無い。便利さの裏側には危険が隠れている。ただだから、安いから、便利だから等と言って、安易にインターネットサービスを利用しない方がよい。

追記(2014/05/22);
読売新聞Webにもこの件の記事「PCカメラでのぞき見、百か国にソフト販売の男」(2014年05月20日 11時48分)が掲載されている。

また、同じ読売新聞Webの記事「ストーカー悪用も、スマホ監視アプリの怖さ」(2014年05月09日 18時00分)に、同じ機能を持つアンドロイドアプリが「Google Play」から入手できることが記載されている。今のところ、外部から勝手にインストールする機能はないようだが、メールなどで送り込める様になるのも時間の問題だろう。これは浮気や不倫をしていないかどうかの監視にも使える。こっそり追跡されたりお楽しみ中の姿や裸を撮影されたくなければ、こんなアプリが入れられていないことを日常的にチェックしなければならないようだ。

また、スマートフォンを短時間でも誰かに預けるようなまねは、決してしてはいけない。何を入れられるか分からないから。

May 19, 2014

ウクライナ危機でロシア経済も減速

ウクライナ危機で、資源の供給停止をカタに強気を貫くロシアだが、ここに来て経済制裁や投資引き上げの影響が出て景気が減速し始めたと報じられている。CNN記事「ロシアの経済成長率が大幅低下、ウクライナ危機の影響露わ

この記事によると、ウクライナ危機の影響でロシアから西側の資金が引き揚げ、これが投資資金不足などの足かせになっているという。

だからといってロシアが強気の態度を変えるとは思えないが、資源外交による強気の悪影響が資源の弱みを持つ西側諸国だけでな、くロシア自身にも跳ね返り始めたと言うことだろう。

風評を煽ってもうけよう

先月、「不安をあおってもうけよう」と言う記事を書いたばかりだが、今回の漫画騒動で小学館はそれを地でいったようだ。

騒動で話題になったおかげで今週号は各地で売り切れ続出だということで、作戦成功で大もうけしたことだろう。また、この騒動でコメントを求められた原発廃止、再開推進両派の「センモンカ」達も儲かったことだろう。

今後も「風評」や「デマ」を利用して金儲けを企む者は後を絶たないだろう。現地の人たちの心情を考えると、金儲け目的で今回のような騒ぎを起こす者たちを取り締まる方法があれば良いのだがと思わざるを得ない。

津波避難誘導への疑問

あちこちの自治体で、スマートフォンを使った津波時の避難誘導が話題になっている。

特徴は、スマートフォンのGPS機能を使った最寄りの避難場所への誘導などなのだが、近くに中高層ビルがいくらでもある市街地で離れた場所へ誘導するデモなどを見ると首をかしげてしまう。

そもそも市街地では、手近にいくらでもある中高層ビルの上階に逃げ込めばよく、離れた場所にある指定避難所まで移動sる必要は全くない。それなのになぜ?と思うのだ。それとも、避難場所に指定されているビル以外への避難は禁止されているのだろうか?

ついでに言えば、多くの大都市で行われている指定避難ビル制度もおかしな話だ。ビルの所有者は指定の協定がないと、避難者を拒むのだろうか?あるいは契約で水や食料などの物資が備蓄されていないビルへは避難するなと言うことなのだろうか?

May 18, 2014

コンビニコーヒー好調

コンビニの店頭で淹れて売る「コンビニコーヒー」の販売が好調だそうだ。それに対応するために、コーヒー豆と氷の納入業者で設備増強が続いていると報道されている。

放送に出てきた画像を見ると、「コンビニコーヒー」はカートリッジを使う「エスプレッソ」ではなく、その場でひいた豆を使うドリップタイプのようだ。機械内で豆をひいて淹れる、ドリップ方式のコーヒー自動販売機は以前からあるので、その装置の応用かもしれない。

すでにコーヒー専門チェーンの売り上げを上回っているコンビニエンスストアチェーンもあるとのことだが、アメリカ系コーヒーチェンの「エスプレッソ」の不味さを考えると宜(むべ)なるかなと言いたくなる。あれは一日一杯しか飲めない代物で、二杯以上飲むとエグ味で胸がむかついて気分が悪くなる。淹れ方が全く異なる「アイスコーヒー」はまだましだが・・・。

もっともコーヒーを飲むなら、古びた喫茶店で年季の入ったマスターが淹れてくれる一杯に敵うものはない。値段が倍でも、私はその方がよい。

ついでに言えば、「缶コーヒー」は「コーヒー」とは全く別の「缶コーヒー」と言う飲み物だと私は思う。

北朝鮮は韓国とは違う!

「北朝鮮は韓国とは違う!」、と言わんばかりにアパート崩壊事故の監督不行届を高官が謝罪したことを北朝鮮が報じている。手抜き工事を見過ごしたことを素早く謝罪することで、沈没事故や地下鉄事故の原因と言われる国家機関の手抜きと事故時の不手際で非難を浴びている韓国とは違うのだと強調したいのだろう。

旧共産国家の建築などの安普請はあきれる程だが、北朝鮮では今もそれが続いているのだろう。安普請が原因で起きた事故を監督不行届のせいにすれば、建築基準の不備で国が責められることを防ぐ役にも立つ。

それやこれやで、素早く謝罪してそれを報道する方が得策と判断したのだろう。

ところで、韓国での沈没事故の原因を作ったと考えられる「政官民癒着」だが、韓国ほど極端ではないにしても日本でもそれが原因を作ったと思われる事件は少なくない。日本人の癖で、あのような事件は「日本ではあり得ない」などと考えていると手痛い目に遭うかもしれない。「政官民癒着」、特に「政」を利用して「民」が「官」に圧力をかける「政民」癒着は大きな災いの元となることがある。

日本人もこのような癒着に甘い傾向があるので用心が必要だ。

May 16, 2014

大赤斑が消える?

ナショナル・ジオグラフィック・ジャパンの記事「木星の大赤斑が縮小、ハッブル観測」(2014/05/16付け)によると、木星の「大赤斑」が急速に縮小しているそうだ。

「大赤斑」はガリレオの時代以前から存在している大規模な暴風のようなもので、これほど長期間安定して存在している理由は分からない、と言う解説をどこかで読んだ記憶がある。この渦の安定状態が変化しつつあるらしい。確かに記事中の写真を見ると、ボイジャーなどの探査機が近接撮影して送ってきた画像の記憶に比べてずいぶん小さいようだ。このまま縮小を続けると、100年後には無くなっているかもしれない。

太陽系外からの侵入者を見張る目のようにも見える、「大赤斑」が無くなってしまうのは寂しい気がするのは私だけだろうか。

三つの太陽

2014/05/16 19:00からBS2で再放送されていた『驚き!地球!グレートネイチャー「追跡!天空に輝く幻の光~厳冬 モンゴル大雪原」』をみて、50年ほど昔に見た三つの太陽を思い出した。

「幻日」と言えば「雪の上の七つの太陽」のお話が有名だが、三つの太陽はしばしば現れる。私が見たのも、本物の太陽の両側にぼんやりとした光の柱が現れるこの三つの太陽だった。

ある冷え込んで風のない冬の朝、通学のため最寄りの駅に向かう途中、気がつくと上ってきた朝日が両側に明るい光の柱を伴っていたのだ。周りを歩いている人は誰も気がつかなかったようだが、それははっきりとした幻日だった。

それを見たのは、東京の杉並区内の麦畑の中の道。当時の杉並、世田谷、練馬には場所によっては駅の近くでも畑が拡がっていて見通しがきいたのだ。もちろん、晴れてさえいれば谷筋以外では富士山もよく見えた。

May 14, 2014

ロシアがISS撤退

ウクライナ問題で欧米から非難を浴びているロシアがISS(国際宇宙ステーション)から撤退すると表明したそうだ。CNN(2014.05.14 Wed posted at 12:27 JST)「ロシア、国際宇宙ステーションからの撤退表明 20年までに」

いずれ言い出すだろうと思っていたが、これで米国はスペースシャトル計画の後継の開発を怠ったつけを払うことになる。もっともこれで米国がロシアに譲歩することはないし、ロシアもそれを期待するほど愚かではない。単に腹いせの捨て台詞と言うだけのことだ。

これによって、米国はISS等に人員を輸送する後継システムの開発を急がなければならないが、米国の宇宙企業はこれを喜んでいる可能性がある。いままでソユーズがあるからと予算支出が絞られていたが、これで注入される国家資金が急増する可能性があるからだ。

現在の技術水準では、民間企業でも資金さえあれば3年ほどで宇宙往還機を実用化することは可能と思われる。従って、ロシア撤退による国家資金の増大は事業チャンスと考える起業家や投資家は少なくないはずだ。

増税前駆け込み購入は損だった?

毎日新聞が2014/5/13付け記事「家電:増税前より安く 駆け込みの反動、ネット大幅値下げ」で主要家電の増税後の価格が増税幅を超えて低下していると報じている。

例年、3月は進学や就職による人の移動で、家電製品の需要が多いため値上がりする傾向があり、4月は需要が下がるため値下がりする。ことしは増税の駆け込み需要とその反動でこの傾向が強く出たのだという。

増税後の反動値下がりを期待して買い控えていた私にはうれしい状況だ。去年から円安で値上がりしていたパソコンパーツにも、消費税の反動が及んでいるのか大きく値下がりしているものが目立つ。

さて何を買いましょうか。

May 12, 2014

小保方弁護団の誤り

小保方氏の弁護団が、先日公開したのはノートのごく一部に過ぎず、全てがあのようなものばかりではないと弁明している様だ。

しかし弁護団に忠告したい。これまでやってきたような小出しの後出しは逆効果だ。孫子も、「小出し、後出しは兵法の愚」だと言っている。少しずつ小出しにするよりは、一気に全部を公開する方が「誤解」を解き、情勢を逆転するには良い。

それに加えて、小保方氏が研究者の世界で信認を回復するには、法律論は何の役にも立たないし、理研の処分の有無さえも意味がない。科学研究者にとって論文が価値ある者と認めるためには、第三者によるトレース実験で再現できることが必須条件なのだ。再現されさえすれば、科学界での小保方氏の立場は大きく回復される。再現されなければ、小保方氏の研究者としての生命は終わる。

弁護団はこのことを良く認識すべきだ。

ベイエリアシリーズ?

この週末の阪神巨人戦(一応ホームチーム前に)を見てあきれてしまった。なぜならば、元ユニフォームが々サンフランシスコ・ジャイアンツのパクリである巨人とオークランド・アスレチックスのぱくりユニフォームを着込んだ阪神が試合をしていたからだ。

これでは試合そのものがMBLのベイエリアシリーズのパクリだ。日本のプロ野球チームには、広島(シンシナティ・レッズ)や中日(ロスアンゼルス・ドジャース)などMBLのユニフォームをパクっているところが多いが、これには少々情けなくなった。

これでは、日本のプロ野球が米国人からますます見下される。日本のプロ野球にプライドはないのか?

大阪らしさを出したいのであれば、いっそのこと「オオサカのおばちゃん」御用達のヒョウ柄にして、「虎が豹変した」とでもうそぶいていればよい。

若い血を入れて若返る;吸血鬼的アンチエイジング法

若い血を取り入れて若返るとは、チームスポーツや組織の活力を維持するために新しいメンバーを入れることのたとえとしてよく言われる言葉だ。しかし最新の研究によると、現実に体内の血を若い個体の血と入れ替えると若返るのだという。

CNN記事;若い血液で若返り? マウス実験で確認
     (2014.05.06 Tue posted at 16:14 JST)

この記事によると若い個体の血液に多く含まれる特殊なタンパク質を、年老いた個体に注入すると若返るのだという。さらに、このタンパク質だけを注入するよりも、循環系を結合して若い血を老いた個体に注入して循環させる方が効果があるという。

まるで昔話に出てくる、魔法使いが若い娘の血を抜き取って飲むことで不老不死を得る、あるいは若い娘の生き肝を食って若返る様な話だが、この研究成果を実際に利用するものが出てくることを考えると、おぞましい情景がいくつか浮かんでくる。

まず比較的ましな方は、熟年女性のアンチエイジング用に若い女性の血を買い集めて輸血する商売が出てくることだ。これはすぐに、若い女性や若者を誘拐監禁して血液源として利用する犯罪行為に繋がりうる。SF的には、犯罪者を刑罰として血液源に利用するなどもあり得る。

もっとおぞましいのは、顧客の細胞からクローンを作り血液源として利用することだ。クローンをいくつも作れば血液だけでなく、移植用臓器の供給源としても利用できる。大金持ちの女性が自分のクローンと並んで横たわって血液を入れ替えている情景などは、ダークSFが好きな米国映画界がすぐに映像にしそうなおぞましい光景だ。

輸血によるアンチエイジングなどが流行しないことを祈る。

May 11, 2014

小保方問題の論点整理

小保方氏と理研との争いは継続中だが、メディアの扱いは次第に熱が冷めてきている。冷め切ってしまわないうちに論点を整理してみよう。

メディアの扱いは、データ改変の正当性に関する理研による処分に集中しているが、小保方氏にとっての課題はそれだけではない。理研の処分とともに、いやむしろそれ以上に重要なことは小保方氏に対する研究者としての信認を回復することだ。たとえ理研が処分を行わなくても、研究者としての信認が回復されなければ研究者としての将来はないからだ。

小保方氏への信認が失われた原因は二つある。一つは第三者のトレース実験でいまだにSTAP現象が再現されていないこと。そして再現できないことに対する筋の通った説明がないことだ。いくら私は200回以上作りましたと泣いて訴えても、第三者が再現できなければ論文が少なくとも不十分、おそらくは誤っていると評価されることになる。従って第三者が再現に成功しない限りこの問題は解決されない。

二つ目は、故意のデーター改変を認めながら、「悪いことはしていない」、「悪意がないから問題がない」と主張したことだ。データー改変については、すでに有力な科学者の大半が容認される範囲を超えているという判断を下しており、これが小保方氏の研究者としての信認を失わせた最大の理由になっている。誤認や錯覚による論文の誤りは珍しいことではないし、訂正すれば多くの場合は許される。しかし、故意に改変されたデータに基づく主張は許されないのだ。

どちらの点についても、科学の方法論の根底に関わる問題で、これには法律論や弁護士のペダントリーが入り込む余地はない。裁判所がどんな判決を下したとしても、世界中の有力な科学者が小保方氏を信認するよう強制することはできない。それはガリレオの異端裁判が結局は科学者から受け入れられなかったのと同様に、法律が踏み込めない領域の問題だからだ。

今後弁護士と小保方氏がなすべきことは、信頼できるデーターを提供して、再現実験に取り組んでもらえるよう世界中の有力な研究者に働きかけることだ。小保方氏の研究者としての地位を回復できるかどうかは、再現実験の成功にかかっているからだ。再現に成功すればデーター改変の重大性が薄れて信認の回復に繋がるが、成功しなければ信認が回復されず小保方氏の研究者としての将来もない。

つまり、データー改変の正当性に関する理研による処分など、再現実験が成功すれば小保方氏にとってはどうでも良いことになる。再現が成功しさえすれば、理研よりさらに著名な研究機関からの有利な条件での招聘を期待でき、それによって名誉も得られることになるからだ。逆に再現されなければ、世界中の有力な科学者から無視され、いずれは忘れ去られて終わるだろう。

メディアの一部にはまだ情に訴えて煽ろうとする向きもあるが、科学者の唯一の判断基準は科学的合理性だ。そして、トム・ゴドウインの「冷たい方程式」に書かれているように、科学的合理性には好意も悪意も、同情も反感も、さらに喜びや悲しみなど一切の情が入り込む余地はない。必要な事はただ一つ、再現実験の成功という事実だけだ。

May 08, 2014

アニメキャラ絵の元祖

兵庫県立美術館で開催中の「夢見るフランス絵画」展に行ってきた。サブタイトルに「印象派からエコール・ド・パリ」とあるように、シスレー、セザンヌなどの前期印象派からユトリロ、藤田嗣冶などのエコール・ド・パリ派の一部までを集めた展覧会だ。

モネやルノワールなどの教科書に出ているような著名な絵はないが、デュフイやユトリロなどのまとまって見ることが少ない絵が数多く、これらをじっくり見るには良い機会だった。また、この人はこんな絵も描いていたのかと印象を改めることもあった。

たとえばユトリロは白を基調としたパリ風景の印象が強いが、赤や緑などの鮮やかな色使いの風景画も多いのだと言うことを知り、認識を改めることができた。ついでに言うと、いくつかの絵は安野光雅氏の「旅の絵本」に色使いや筆致が似ていてつい連想してしまった。

また、展示の終わり近くにあった藤田嗣冶の小品では髪の毛の精緻で繊細な描写に見入ってしまった。確か彼は日本の面相筆を使っていたように思うが、波打つ髪を丁寧に引いた細い線で表現していて、なめらかで柔らかな手触りが感じられるように思えたほどだ。

そして表題だが、展示されていた藤田嗣冶の最後の3枚の中央にあった絵が、アニメキャラ絵の元祖のように見えたのだ。美しい若い女性を描いた小品なのだが、藤田嗣冶の絵としてはあまり記憶にない完全な横顔で、顔立ちや服装が若者向けのアニメキャラ絵的に感じたからだ。と言ってもこれほど精緻に書き込んだキャラ絵など無いだろう。アニメ好きは一見の価値ありだ。

May 07, 2014

STAP論文再調査却下

STAP論文の再調査申請が却下された。小保方氏側の弁護士団は相変わらず筋論などを展開しようとしているようだが、科学界における小保方氏の信任回復にはつながらない的外れな議論だ。

最大の問題は、何度も言うように小保方氏の科学研究者としての信任が回復できるかどうかであり、このためには筋論も法律論も全く役に立たない。理化学研究所の審査すらたいした意味がない。問題の本質は多くの科学者がSTAP現象の実在を認めるかどうかであり、そのために求られめているのは再現実験によって検証可能な新しい事実で論文を補強することだ。そして小保方氏が実験記録など有力な証拠を提出しない現状では、誰か第三者がSTAP現象を再現する以外には小保方氏の信任を回復できる現実的な方法はない。

しかし、日本国内の共同研究者が手を引き、アメリカ側の共同研究者からも新しい実験成果が出てこない現状では弁護士団がいくら法律論でがんばっても科学者を納得させることは難しい。小保方氏には資金があるようなので、いっそのこと再現実験に挑戦する研究者を募って研究費を提供する方がよい。資金が不足であれば、メディア人気を利用して募金で集める手もある。

繰り返すが、問題点は小保方氏が科学研究者としての信任を回復できるかどうかだ。そのためには小保方氏がいくら悲しいと泣いて芸能スポーツメディアの同情を得ても何の役にも立たない。弁護士の法律論も、小保方氏の科学者としての信任を回復するには全く役に立たない。弁護士団はそのことをはっきりと認識しておかなければならない。タレントの損害賠償訴訟や刑事事件の冤罪再審請求では無いのだから、法律家を納得させても意味がない。弁護士団がなすべき事は、世界中の科学者を如何にして納得させるのかを考えることだ。そのためには科学技術研究に不可欠の論法と物証が必要だが、弁護団がそれを構築するのに役立つことをしている様に見えないのが残念だ。

May 03, 2014

インターネットエクスプローラーのセキュリティ問題

IE(インターネットエクスプローラー)の安全問題対策の修正パッチが公開され、メディアでは自動的に適用されるので危険が無くなる様に報じられている。しかし、自動更新の設定(曜日指定している場合など)によってはパッチがすぐに適用されず、危険なままになっている可能性がある。コンピューターに詳しくない人はパッチ適用済みかどうか確認する方がよい。

パッチ適用済みかどうかの確認方法や自動更新の設定の確認や変更方法は、マイクロソフトのサイト(http://www.microsoft.com/ja-jp/default.aspx)に行って検索すると知ることができる。最初に表示される画面の右上に検索用の入力ボックスがあるので、これにキーワードを入力して右側の虫眼鏡ボタンをクリックすると検索結果が表示される。その中から目的にあった記事を見て参考にすればよい。

キーワードは「自動更新」、「バージョン確認」でも良いだろう。

なお、バージョンの確認は、ツールバーの「ヘルプ」から「バージョン確認」をクリックしてもできる。私のIE11はパッチ適用後には、バージョンが11.0.9600.17105、更新バージョンが11.0.7(KB2964358)になっていた。

ツールバーが表示されていない場合には、IEの最上部で右クリックすると表示されるメニュー中の「メニューバー」をクリックすると表示されるようになる。

yahooはフィッシング詐欺協力企業?

このところyahooのフリーメールサービスを利用したフィッシングメールが連日送られてきている。送信元を見ると全て異なるyahooのアカウントになっている。通報によりアカウントが停止されると、すぐにまた新しいアカウントを取得して送信しているのだろう。

別の言い方をすると、yahooがノーチェックでフリーメールアカウントを発行することが問題だといえる。yahooのみが突出して利用されている現状では、yahooはフィッシング詐欺協力企業といわれても致し方がないだろう。

yahooが何らかの対策をとることを望む。

May 02, 2014

韓ドラで沈没事故が分かる

沈没事故の背景に深刻な政官民癒着があることが浮かび上がってきた、韓国の沈没事故。だがこのような政官民の癒着は、韓ドラの背景設定には不可欠の要素のようだ。

日本でも水戸黄門シリーズのような勧善懲悪劇では不可欠だが、韓ドラでは政官民癒着でやりたい放題の大企業オーナーに虐げられるヒロイン、という状況を設定するために利用されているようだ。境遇と戦うけなげなヒロインという設定のドラマ作りには不可欠の様だが、これだけ政官民癒着が当たり前のように見せられると、韓国の政官民はこぞってそれが当然のことと思ってしまうかもしれない。もっとも、官民癒着による権力争いは韓国時代劇の重要な要素でもあるので、癒着に甘いのは韓国の伝統かもしれない。

しかし、ドラマ中とはいえそれが当然のこととして見せられると、刷り込みによって国民全体が馴らされてしまい、癒着に甘くなる可能性はある。メディア関係者は、そのような事態にならないようテーマの取り扱い方に細心の注意をはらうべきだ。

May 01, 2014

ハンゲの偽メール(2)

この数日、スクエアエニックスと三菱東京UFJの偽メールが沈黙しているが、代わりにハンゲームの偽メールの元気がよい。

ただし私が使っているメーラーのせいか、表題が文字化けして意味不明の文字列になっている。読めない表題とは何とも間抜けなことだ。

偽装の手法は、HTMLの機能を利用して本来のリンク先を隠すおなじみのもので、本文も先日のものと全く同じだ。

見せかけのアドレス;http://top.hangame.co.jp/login/
偽サイトのアドレス;http://arads.tk/arad.hangame.co.jp/login/

なお、tkはニュージーランド領トケラウのコード。

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