まだまだ続く異常気象
米国の東部がこの冬何回目かの寒波に襲われているそうだ。米国では北極嵐(The Arctic Storm)と呼んでいるようだが、今回は特に南部にも広がり、アラバマやジョージアでも外出を控えるようにと知事が呼びかけているとのこと。
その一方で、アラスカでは異常高温が続き融雪でなだれや洪水が発生し交通に支障が出ている。さらに、カリフォルニアでは高温と旱魃が続き山火事が多発している。北米大陸ではこのように中部から東部での寒冷と西海岸での高温とが同時に発生している。
この原因は、気象庁のサイトで北半球高層気象図を見るとよく分かる。それによると、偏西風が二つの大きな渦に分かれ、一つは北米大陸の中部から東海岸にかけて居座り、もう一つがウラル山脈からカムチャッカ半島にかけてのシベリアに腰を据えている。そして北大西洋東部と北太平洋東部ではが北極圏近くにまで北上している。この状態が去年の12月から続いている。
時折、この二つの渦から小さな渦がちぎれて東に移動すると、一時的に四つ葉型になり西風が広がった様にはなるが長続きしない。この間は一時的に主な渦の東側では寒波がゆるむ。
これがこの冬の異常気象の理由だろう。そしてこれはまだしばらくは続きそうだ。
追記(2014/01/30)
北半球の西風はますますおかしな状態になっている。蛇行が極端になって、二つの大きな渦に分裂しているかのようだ。この渦の内部に寒気の中心があり、北極気団も二つに分裂している。大きな渦の間には小さな渦があり、その内側には暖気を抱えている。これが極寒と温暖が共存している原因だろう。
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